2004年11月29日 PLO議長候補者/ガザ撤退案折衝
2004年11月23日 エジプト軍兵士を誤射、など
2004年11月14日 アラファトの死
2004年11月8日 最年少の自爆テロなど
11月第5週
 

 今回の4年に及ぶインティファーダーで5人のイスラエル人の殺害が立証され、5度の生涯分の懲役が言い渡されたPLO(パレスチナ解放機構)主流派のファタハ若手幹部マルワン・バルグーティのパレスチナ自治政府議長への立候補に関する動向が注目されていた。ファタハでは、すでに前首相であり、アラファト後継のPLO議長であるマフムード・アッバスが、PA(パレスチナ自治政府)議長候補として選出されている。だから、バルグーティの選択として、ファタハに留まりアッバスのPA議長選を支持するか、それとも独自にPA議長候補として立候補するかの二者択一を迫られる形となった。
 今回の4年に及ぶインティファーダーで5人のイスラエル人の殺害が立証され、5度の生涯分の懲役が言い渡されたPLO(パレスチナ解放機構)主流派のファタハ若手幹部マルワン・バルグーティのパレスチナ自治政府議長への立候補に関する動向が注目されていた。ファタハでは、すでに前首相であり、アラファト後継のPLO議長であるマフムード・アッバスが、PA(パレスチナ自治政府)議長候補として選出されている。だから、バルグーティの選択として、ファタハに留まりアッバスのPA議長選を支持するか、それとも独自にPA議長候補として立候補するかの二者択一を迫られる形となった。11月第4週
1.黙示録成就の序曲?
 アメリカのいくつかの州でも条例化されているが、イスラエルでも犬の管理に関して、新しい規則が設けられた。今後、新たに犬を飼う場合、犬の皮膚の下に米粒大のマイクロチップを埋め込むことを義務付けられることになった。マイクロチップによって、保護された迷い犬の飼い主がすぐに判別でき、さらにその犬の医療披瀝なども検出されて、適切な治療に役立てることも可能だ。しかし、同時に犬が人を噛んで傷つけたりするなら、その飼い主は自分のオーナーシップを否定することができなくなる。
 非常に便利なシステムであるが、黙示録ですべての人の右手か額に刻印が押され、その刻印のないものはものを売買することができなくなるとの預言を覚えるときに、人間用のマイクロチップが法令化されるようになるのもさほど遠いことではないように思われる。
2.イナゴの来襲
 北アフリカから飛来してきたイナゴが、シナイ半島でも見られるよ うになり、憂慮していたとおり19日の金曜日にネゲブ南方にイナゴの第一波が飛来してきた。その後、土曜日にさらに大きなイナゴの群れがエイラートや死海の地域にも及んだ。イナゴの災害は1959年と61年以来で、空中からの殺虫剤の散布などで対応しているものの農作物の被害の拡大が心配されている。イナゴは日に自分の体重分の食物を食べる。100万のイナゴは、5000人分の人間の消費に匹敵すると言われる。
うになり、憂慮していたとおり19日の金曜日にネゲブ南方にイナゴの第一波が飛来してきた。その後、土曜日にさらに大きなイナゴの群れがエイラートや死海の地域にも及んだ。イナゴの災害は1959年と61年以来で、空中からの殺虫剤の散布などで対応しているものの農作物の被害の拡大が心配されている。イナゴは日に自分の体重分の食物を食べる。100万のイナゴは、5000人分の人間の消費に匹敵すると言われる。
 ネゲブの西のシャローム地方は、イスラエルでも有数のじゃがいも生産地で、国内生産の50%がここで産出されている。すでに、この地方のじゃがいも畑へのイナゴの被害がではじめているが、さらにイナゴがこの地域に飛来してくるならば、甚大な被害に及ぶことになる。
 しかし、イスラエル人でイナゴを好んで食べる人たちやタイからの外国人労働者などは、イナゴを捕り集めて、舌鼓を打っている。エイラートのあるイスラエル人は、一匹のイナゴを捕まえて生のままで食べ、「これはおいしい」と舌なめずりをしていた。
3.大きな誤り
  エジプトとイスラエルの国境ラファの地域を警備中のイスラエルの戦車が、3人の人影をパレスチナ人テロリストであると誤認して砲撃し、その3人を殺害した。しかし、その3人はエジプト人国境警官で、その事件の報告を受けたシャロン首相は、直ちにエジプトのムバラク大統領に電話で謝罪し、防衛長官のシャウール・モファッズも同じくエジプトの防衛長官であるフセイン・タンタウィに謝罪した。しかし、この出来事のためにエジプトの外務大臣アフメッド・アブール・ゲイトは、イスラエルのガザ入植地からの撤退に関して話し合うために、11月24日にイスラエル訪問を予定していたが、その訪問は12月上旬に延期されることになった。
エジプトとイスラエルの国境ラファの地域を警備中のイスラエルの戦車が、3人の人影をパレスチナ人テロリストであると誤認して砲撃し、その3人を殺害した。しかし、その3人はエジプト人国境警官で、その事件の報告を受けたシャロン首相は、直ちにエジプトのムバラク大統領に電話で謝罪し、防衛長官のシャウール・モファッズも同じくエジプトの防衛長官であるフセイン・タンタウィに謝罪した。しかし、この出来事のためにエジプトの外務大臣アフメッド・アブール・ゲイトは、イスラエルのガザ入植地からの撤退に関して話し合うために、11月24日にイスラエル訪問を予定していたが、その訪問は12月上旬に延期されることになった。
 また、エジプトの民衆の多くは、イスラエルの謝罪を受け入れず、翌日600人余りが「豚の謝罪などで我々の怒りを静めることはできない」などと書かれたバーナーを持って抗議のデモを行った。その後も抗議のデモが、あちらこちらの街で行われており、エジプトのメディアもイスラエルを厳しく非難し、民衆の怒りをあおっている。
 この出来事が起こる前に、そのあたりで3人のパレスチナ人がおかしな行動をしているのが確認されており、爆弾を仕掛けているのではないかとの疑念がもたれていた。そして、再び3人(この時は、エジプト人国境警官であった)が現れ、警備に当たっていたイスラエル軍の戦車が砲撃に及んだ。偶然という言葉を使うことが許されるなら、まさに不幸な偶然が重なった事故であった。
三宅弘之
LCJE海外協力レポーター
11月3週
 
 。それは、最後まで権力の座に未練を持っていたことを示しているように思われる。後継指名なくして他界したなら、後にどのような混乱をもたらすかを承知していたはずである。アラファトの埋葬から二日後に早速、流血の事態が起こった。服喪の公式テントに向かって、20人ぐらいの武装したパレスチナ人たちが、銃を乱射したのである。そのテントの中には、ムハマッド・アッバス前首相と前保安長官のモハメッド・ダーランの二人がいた。二人は、ともに親米派であるとみなされており、その銃撃の中で彼らに対して、「裏切り者」と叫ぶ声が聞かれた。一人のアッバスのボディーガードとダーランの一人の部下が殺され、数名が負傷した。
。それは、最後まで権力の座に未練を持っていたことを示しているように思われる。後継指名なくして他界したなら、後にどのような混乱をもたらすかを承知していたはずである。アラファトの埋葬から二日後に早速、流血の事態が起こった。服喪の公式テントに向かって、20人ぐらいの武装したパレスチナ人たちが、銃を乱射したのである。そのテントの中には、ムハマッド・アッバス前首相と前保安長官のモハメッド・ダーランの二人がいた。二人は、ともに親米派であるとみなされており、その銃撃の中で彼らに対して、「裏切り者」と叫ぶ声が聞かれた。一人のアッバスのボディーガードとダーランの一人の部下が殺され、数名が負傷した。11月8日
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| 自爆テロによる犠牲者の一人 | 
 当初、風邪と思われていたアラファト議長の容態が悪化し、検査の結果白血病の恐れがあるとの診断が下され、パリの病院で治療を受けることになった。しかし、そこで容態が急遽悪化し、さらにパリ郊外の軍の病院に運ばれたが、その後の動向について明確な回答が与えられていないために情報が錯綜している。現在は、暫定的にアッバス全首相が、アラファト議長の代行となり、クレイ首相は、治安、財政の権限の移行を受けて行政を担当する形になっている。ポスト・アラファトに向けてパレスチナ各派による協議が続けられているが、ハマスなどの過激派を完全に抑えることは難しい状況にある。彼らは内部抗争を避けることには合意しているが、イスラエルに対するテロ行為の停止には、従うことを拒んでいる。また、各派合同の統一支配を主張しており、政治面における過激派の勢力拡大をも狙っている。
 当初、風邪と思われていたアラファト議長の容態が悪化し、検査の結果白血病の恐れがあるとの診断が下され、パリの病院で治療を受けることになった。しかし、そこで容態が急遽悪化し、さらにパリ郊外の軍の病院に運ばれたが、その後の動向について明確な回答が与えられていないために情報が錯綜している。現在は、暫定的にアッバス全首相が、アラファト議長の代行となり、クレイ首相は、治安、財政の権限の移行を受けて行政を担当する形になっている。ポスト・アラファトに向けてパレスチナ各派による協議が続けられているが、ハマスなどの過激派を完全に抑えることは難しい状況にある。彼らは内部抗争を避けることには合意しているが、イスラエルに対するテロ行為の停止には、従うことを拒んでいる。また、各派合同の統一支配を主張しており、政治面における過激派の勢力拡大をも狙っている。