人間の中からの選び  2002/05/14

大祭司はみな、人々の中から選ばれ、神に仕える事がらについて人々に代わる者として、任命を受けたのです。それは、罪のために、ささげ物といけにえとをささげるためです。(ヘブル5:1)

(メッセージの一部を抜粋・編集)

 大祭司は、「人々の中から選ばれ」なければならないと書いてあります。当たり前のように聞こえますが、これが大事な条件なのです。というのは、大祭司は人の弱さや罪をにないながら、神の前に出る存在であり、もし弱さを持っていなかったら、人の代表となることはできないからです。イエスさまは御子でありましたが、大祭司となられるために、人の弱さを身にまとわれました。

 これは、神に対して祭司となっている私たちクリスチャンにも当てはまります。私たちはとかく、自分たちがクリスチャンらしくならなければいけないと思って、いろいろな取り繕いをしてしまいますが、そのために、人間味がなくなってしまいます。一定のプロトコールを教会の中に作ってしまい、一種特殊な雰囲気を教会の中にかもし出してしまうことがあります。しかし、私たちは人間なのです。先日、私の母親が上京して、私たちとともに近くにある教会の礼拝に参加してくれました。その後、彼女は私に電話をかけてくれて、「近所の教会に通いたい」と連絡してくれました。その理由は、「とても自然体でいられたから」ということです。彼女は父もそうですが、私たちが以前連れていった教会のことで、嫌悪感を持ってしまいました。みなが同じように動き、話し方も不自然であり、いわゆる「宗教臭かった」と言うのです。世の中の人は、そういう私たちクリスチャンにあるプロトコールに敏感です。私たちは、喜怒哀楽のある、普通の人間として生きなければ、そこにキリストの香りを放つことができないことを知る必要があります。

 「人間であること」 − これが、キリスト者の祭司としての務めの第一歩です。


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