歴代誌第二21−23章 「根絶やしの危機」


アウトライン

1A 兄弟殺し 21
   1B ダビデの契約 1−7
   2B 敵の支配 8−20
2A 孫殺し 22
   1B アハブ家のさばき 1−9
   2B 神の守り 10−12
3A 正義の勝利 23
   1B 王の即位 1−15
   2B 主の民の契約 16−21

本文

 歴代誌第二21章を開いてください、今日は21章から23章までを学びます。ここでのテーマは、「根絶やしの危機」です。さっそく本文に入りましょう。

1A 兄弟殺し 21
1B ダビデの契約 1−7
21:1 ヨシャパテは彼の先祖たちとともに眠り、先祖たちとともにダビデの町に葬られた。その子ヨラムが代わって王となった。

 私たちは歴代誌において、イスラエルが南北に分裂した中にあっても、主がユダにおいて霊的覚醒を与えてくださっている記録を読んでいます。アサの時代にそれが起こり、そしてその子ヨシャパテにおいても、さらなる霊的改革が行なわれました。そして今日読む箇所においても、最後には正義が勝利しますが、一気にユダ国の霊性が降下する箇所を読んでいきます。

 その理由はすべて、ヨシャパテの悪者たちに対する奇妙な興味によるものです。ヨシャパテが、極悪王アハブと縁を結んだばかりに、彼自身は悪影響を受けませんでしたが彼の息子が大きな影響を受けます。おそらくヨシャパテの息子ヨラムは、父がアハブに会いに行ったときに、いっしょに付いていったのでしょう。彼はアハブの娘アタルヤと結婚しました。そのため彼は、霊的に彼らの影響を受けただけでなく、血縁関係においてもアハブ家のものとなりました。そこでユダの霊的な流れは急展開します。

21:2 彼には、兄弟たちがいた。ヨシャパテの子たちで、アザルヤ、エヒエル、ゼカリヤ、アザルヤ、ミカエル、シェファテヤであった。これらはみな、ユダの王ヨシャパテの子たちであった。21:3 彼らの父は、彼らに銀、金、えりすぐりの品々など多くの賜わり物を与え、また、それとともにユダにある防備の町々を与えたが、王国はヨラムに与えた。彼は長男だったからである。21:4 ヨラムはその父の王国に立つと勢力を増し加え、その兄弟たちをひとり残らず剣にかけて殺し、また、イスラエルのつかさたちのうち幾人かを殺した。

 兄弟殺しです。おそらくは、兄弟たちが自分の王位を覆すのではないか恐れて、彼らを殺したものと思われます。

21:5 ヨラムは三十二歳で王となり、エルサレムで八年間、王であった。21:6 彼はアハブの家の者がしたように、イスラエルの王たちの道に歩んだ。アハブの娘が彼の妻であったからである。彼は主の目の前に悪を行なったが、21:7 主は、ダビデと結ばれた契約のゆえに、ダビデの家を滅ぼすことを望まれなかった。主はダビデとその子孫にいつまでもともしびを与えようと、約束されたからである。

 あのおぞましきアハブの家が行なっていたことを、ユダの中に導入させました。アハブとイゼベルの娘が彼の妻になったからですが、私たちがいかに、信者と不信者とはつり合わぬくびきであるかを思わされます。ヨシャパテは大丈夫だろうと思っていました。善と悪は共存すると思っていました。いいえ、これは水と油の関係であり、どちらかが100%になるまで影響を与えるのです。

 こうして最悪の状態にユダは陥ってしまいましたが、7節に今日の箇所のテーマ、いや歴代誌のテーマともなっている言葉があります。「ダビデと結ばれた契約があるから、ダビデ家を滅ぼさなかった」という言葉です。ヨタムやアタルヤがひどいことを行なっていても、ユダの国がひどい状況の中に陥っても、主はユダをお見捨てになりません。それはご自分が約束されていたからです。

2B 敵の支配 8−20
 そして神は、ヨラムが主を捨て去ったので、彼をも捨て去ります。

21:8 ヨラムの時代に、エドムがそむいて、ユダの支配から脱し、自分たちの上に王を立てた。21:9 ヨラムは、彼のつかさたちとともに、すべての戦車を率いて渡って行き、夜襲を試み、彼を包囲していたエドムと戦車隊長たちを打った。21:10 しかしなお、エドムはそむいて、ユダの支配から脱した。今日もそうである。リブナもまた、その時にそむいて、その支配から脱しようとした。これは彼がその父祖の神、主を捨て去ったからである。

 列王記また歴代誌を読むと、一貫している原則があります。それは、王が正義を行なっているときは、平和があり、周囲の国々はイスラエルに従属します。けれども主に背くと、周囲の国々は反抗します。また国内や王室の中でも混乱や戦いが起こります。主のところにいるのと、主から離れているのでは、これだけの違いが出てくるのです。平和か混乱か、支配か従属かの違いが出てきます。

21:11 そのうえ、彼はユダの山々に高き所を造り、エルサレムの住民に淫行を行なわせ、ユダを迷わせた。

 ここの「淫行」は文字通りにも受け止められますし、また霊的にも受け止められます。文字通りとは、偶像礼拝にはしばしば不品行がともなうからです。宗教の儀式として不品行を行なう場合がありますし、情欲や肉の欲望を満たすことを正当化するために偶像が置かれます。ですから、肉体関係の乱れを、ヨラムはユダとエルサレムの住民に奨励したのでしょう。

 と同時に、偶像礼拝自体が霊的な淫行です。主なる神とイスラエルの関係は、婚姻関係として描かれています。主が夫であり、イスラエルが妻です。誓約と固い契約の中にある愛の関係があるので、他の神々を求めることはまさに姦淫の罪を犯していたことになるのです。

 多くの人は、「神が唯一で、他の神さまを拝んじゃいけないの?ずいぶん窮屈だし、排他的だよ。」と言います。しかし、そのような神意識しか持っていない人には、夫婦関係の中にあるような深く、親密で、静かな平安の川が流れているような、神との関係の祝福を知りません。いろいろな神さまを拝んでいるかもしれませんが、平安・喜び・愛・命・希望について知りません。なぜなら、それは神のみをあがめるという堅い契約の中にのみ存在するからです。

21:12 ときに、預言者エリヤのもとから彼のところに書状が届いたが、そこには次のようにしるされていた。「あなたの父ダビデの神、主は、こう仰せられます。『あなたが、あなたの父ヨシャパテの道にも、ユダの王アサの道にも歩まず、21:13 イスラエルの王たちの道に歩み、アハブの家が淫行を行なわせたように、ユダとエルサレムの住民に淫行を行なわせたので、また、そればかりでなく、あなたは、自分よりも善良なあなたの兄弟たち、あなたの父の家の者を殺したので、21:14 見よ、主は大きな災害をもってあなたの民、あなたの子たち、あなたの妻たち、あなたの全財産を打つ。21:15 あなた自身は、内臓の病気で大病をわずらい、日々にその病が進んで、内臓が外に出るまでになる。』」

 この時点でエリヤはこの地上にいなくなっています。天に上ってからすでに13年経っているとの注解がありました。けれども今、預言者エリヤからヨラムに書状が届いたとあります。これはおかしいと思う人がいるかもしれませんが、預言者エリヤのことを思い出してください。いや、数ある預言者たちが生きているうちに、はるか先のことを正確に語っていたことも思い出してください。エリヤはまだ地上にいるとき、ヨラムのこの悪事がすでに主に示されていて、それで生前にこの手紙を書いたと考えるのは容易です。

 それに、エリヤがヨラムに対して預言をするというのも当然でしょう。彼はアハブ家の者たちに対峙して預言しましたが、ユダの王ヨラムは今やアハブ家の一部なのですから、エリヤがユダの国の事柄にまでしゃしゃり出て預言したのではなく、アハブ家に対する神のさばきを告げる延長線上で、書状を彼に記しておいたと考えられます。

21:16 主はクシュ人の近くにいたペリシテ人とアラビヤ人の霊を奮い立たせて、ヨラムに敵対させられたので、21:17 彼らは、ユダに上って攻め入り、王宮の中で目に留まったすべての財産と彼の子や妻たちを奪い去った。その結果、彼には末子のエホアハズのほか、男の子はだれも残らなかった。

 ヨシャパテの時は、ペリシテ人もまたアラビヤ人も貢ぎ物を持ってきていたことが書かれていますが、今はユダを攻め込んでいます。はっきりと「主が彼らの霊を奮い立たせた」と書いています。私たちは物理的な動きは偶然によって起こったとか、いろいろな政治的・経済的・社会的要因が働いたとか、いろいろその原因を議論できると思いますが、究極的には霊的な要因なのです。

 そして、彼は自分の兄弟たちを殺したように、ペリシテ人とアラビヤ人は一人の子を残してすべて殺しました。自分が蒔いた種を刈り取ったのですが、と同時にこれもまた、ダビデ家が根絶やしにされる二回目の危機だったのです。もしエホアハズが殺されていたら、ソロモン経由のダビデの子孫がいなくなってしまいます。けれども、これもまた神の約束があったため、この一人が守られたのです。

21:18 これらすべてのことの後、主は彼を、その内臓を打たれた。彼は不治の病になった。21:19 年は巡り、二年の終わりが来ると、彼の内臓は病のために外に出てしまい、ついに彼は重病の床で死んだ。彼の民は、彼の父祖たちのために香をたいたようには、彼のために香をたかなかった。21:20 彼は三十二歳で王となり、エルサレムで八年間、王であった。彼は人々に愛されることなく世を去った。人々は彼をダビデの町に葬ったが、王たちの墓には納めなかった。

 彼は見捨てられたような状態で死にました。だれにも尊敬されず死にました。

2A 孫殺し 22
1B アハブ家のさばき 1−9
22:1 エルサレムの住民は、彼の末子アハズヤを彼の代わりに王とした。アラビヤ人とともに陣営に攻めて来た略奪隊が年長の子らを全部殺してしまったからである。こうして、ユダの王ヨラムの子アハズヤが王となった。

 先にエホアハズという名が出ていましたが、アハズヤという名前に改名されています。

22:2 アハズヤは四十二歳で王となり、エルサレムで一年間、王であった。彼の母の名はアタルヤといい、オムリの孫娘であった。

 アハズヤが42歳で王になって、父が32歳で王、8年間治めたということは、彼が父よりも二年以上早く生まれたことになります。歴代誌には、このような数字でおかしな部分がありますが、それは写本時の誤謬であると考えられています。20という数字と40という数字がヘブル語では似ているので、おそらくは22歳で王になったのではないかと考えられています。

 ここで押さえておきたい点は、聖書は神のことばであり、誤りを含まないということを私は信じています。けれども、それは原典において誤りがないのであり、現存の聖書はみな写本からのものです。原本から写すときに誤った可能性があることは否定しません。

22:3 彼もまた、アハブの家の道に歩んだ。彼の母が彼の助言者で、悪を行なわせたからである。

 自分の夫に悪影響を与えたアタルヤは、自分の息子にも悪を行なわせていました。恐ろしいことですが、母が子に悪を行なうことを教えていたのです。

22:4 彼はアハブの家にならって主の目の前に悪を行なった。その父の死後、彼らが助言者となって、彼を滅びに至らせたのである。

 アタルヤの他に、北イスラエルのアハブ家の者たちもアハズヤに悪い助言を行なっていました。

22:5 彼はこの人々の助言を重んじて行動し、イスラエルの王アハブの子ヨラムとともに、アラムの王ハザエルと戦うため、ラモテ・ギルアデに行ったが、アラム人はヨラムに傷を負わせた。22:6 彼は、アラムの王ハザエルと戦ったときにラマで負わされた傷をいやすため、イズレエルに帰って来た。ユダの王ヨラムの子アハズヤは、アハブの子ヨラムが病気であったので、彼を見舞いにイズレエルに下って行った。22:7 ヨラムのもとに行くことによって、アハズヤが滅びたのは、神から出たことであった。彼はそこに着くと、ヨラムとともにニムシの子エフーに向かって出て行った。これは、主がアハブの家を断ち滅ぼすために油をそそがれた人である。

 覚えていますか、エフーは、アハブ家を根絶やしにするために神が立てられた器です。エリヤがかつてアハブに、アハブ家がことごとく滅ぼされることを預言しましたが、エリシャは預言者学校の弟子の一人に、「あなたが、主君アハブの家の者を滅ぼさなければいけない」との預言を語るように言いつけました。そしてアハブの子ヨラムの下で働いていた隊長エフーが、ものすごい勢いでアハブ家粉砕の行動を取ったのです。

 彼はすぐに、戦いで敗れてイズレエルで傷をいやしていたヨラムのところに猛スピードで、恐ろしい顔つきでやって来ました。そのときにたまたまユダ王アハズヤが見舞いに来ていたのです。ヨラムはすぐに殺され、逃げたアハズヤも途中で追いつかれ、殺されました。なぜなら、アハズヤもアハブの家の者だからです。

 私たちがどこの家の者になっているのか、どっちに付いているのかを知ることは大切です。神はすべての人が一人でも滅ばず悔い改めることを望んでおられます。そして悪魔と悪霊どものために作られた地獄に、誰ひとり入ってほしくないと願われています。けれども、神によって生まれていない者はみな、悪魔の子であると使徒ヨハネは言っています。悪魔のほうに属しているならば、その人は悪魔と同じ運命を辿らなければいけないのです。ちょうど、アハズヤがアハブ家の者であったので、エフーに殺されたようにです。

2B 神の守り 10−12
 このようにして、アハズヤに対する神のさばきが下りましたが、次にさらなる危機が訪れます。

22:10 アハズヤの母アタルヤは、自分の子が死んだと知ると、ただちにユダの家に属する王の一族をことごとく滅ぼした。

 エルサレムには、王がいなくなり、王子だけがいました。ところがアハズヤの母アタルヤが、彼女の孫をすべて殺したのです!これでダビデの末裔は途絶えるか、と思いきや、再び一人の男の子が死なずに守られます。

22:11 しかし、王の娘エホシェバが、殺される王の子たちの中から、アハズヤの子ヨアシュを盗み出し、彼とそのうばとを寝具をしまう小部屋に入れた。こうして、ヨラムの王の娘、祭司エホヤダの妻、エホシェバは、・・彼女がアハズヤの妹であったので・・ヨアシュをアタルヤから隠した。アタルヤはこの子を殺さなかった。22:12 こうして、彼はこの人々とともに、神の宮に六年の間、身を隠していた。その間、アタルヤがこの国の王であった。

 アハズヤの妹にあたるエホシェバは、祭司エホヤダと結婚していました。彼女はすぐに、生まれたばかりの甥、アハズヤの息子をアタルヤの虐殺からかくまい、神の宮の中で隠して育てました。その間、アタルヤが女王としてユダを君臨していましたが、エホシェバの夫であり祭司であるエホヤダは、いつかこの子を王位に就かせなければいけないと考えていたのです。

 危機からまた次の危機の連続です。人の罪を良い機会にして、悪魔はなんとかしてダビデの末裔を滅ぼそうとしていました。彼ははるか前から、アブラハムの時から、神の約束にある子孫によって全民族が祝福されるという約束を無効にすべく、働きかけてきました。サラが異邦の王のハーレムに入れられそうになりました。モーセの時代には、イスラエルの男子がみなナイル川に投げ込まれる危機がありました。そして、メシヤご自身が赤ん坊のとき、ヘロデ王がベツレヘムにいる幼子をすべて殺す命令を出したことにより、命が取られる危機があったのです。それはみな、イスラエルをはじめ全人類が罪からの救いと永遠のいのちを得るための、贖いの代価であられるキリストをこの地上に出さない目的のものでした。

 けれども神は、ダビデに、その世継ぎの子からメシヤを出すと約束されたので、このようにアタルヤの手から一人の王子を守られました。

3A 正義の勝利 23
 そして、主の正義が勝利します。

1B 王の即位 1−15
23:1 その第七年目に、エホヤダは奮い立って、エロハムの子アザルヤ、ヨハナンの子イシュマエル、オベデの子アザルヤ、アダヤの子マアセヤ、ジクリの子エリシャファテなど、百人隊の長たちを連れて来て、彼と契約を結ばせた。23:2 それで彼らはユダを巡回し、ユダのすべての町々からレビ人を集め、イスラエルの一族のかしらたちを集めたので、彼らはエルサレムに来た。

 ヨアシュが七歳になったとき、エホヤダは彼を王位に就かせる行動に出ました。まず極秘にユダのかしらたちを集め、機密事項を話すから決して漏洩しないことを確約させます。

23:3 こうして、全集団が神の宮で王と契約を結んだ。そのとき、彼はこう言った。「ご覧のとおり、主がダビデの子孫について約束されたように、王の子が王となるのです。

 エホヤダは、この計略が神のためであることを明確に伝えます。ダビデに主が約束されたとおり、ダビデから出てくる男の子が即位しなければいけないと伝えます。

23:4 あなたがたのなすべきことはこうです。あなたがた、祭司、レビ人の三分の一は安息日に勤務し、入口にいる門衛となる。23:5 三分の一は王宮におり、他の三分の一は礎の門にいる。すべての民は主の宮の庭にいる。

 祭司とレビ人は武装します。イスラエルの民が主の宮の庭にいるのですが、おそらくはイスラエルの例祭のときを選んだのでしょう。祭りの時は人がたくさんいるので、怪しまれずにすみます。

23:6 祭司と、レビ人で仕えている者たちは聖であるから、はいってもよいが、それ以外の者は、主の宮にはいってはならない。すべての民は主の戒めを守らなければならない。23:7 レビ人は、おのおの武器を手にし、王の回りを取り囲みなさい。宮にはいって来る者は殺されなければならない。あなたがたは、王がはいるときにも、出るときにも、いつも王とともにいなさい。」

 レビ人が完全武装し、王を護衛します。

23:8 レビ人およびすべてのユダの人々は、すべて祭司エホヤダが命じたとおりに行なった。おのおの自分の部下、すなわち安息日に勤務する者、安息日に勤務しない者を率いていた。祭司エホヤダが各組の任を解かなかったからである。23:9 祭司エホヤダは百人隊の長たちに、神の宮にあったダビデ王の槍、盾、および丸い小盾を与えた。23:10 彼はすべての民にひとりひとり手に投げ槍を持たせて、神殿の右側から神殿の左側まで、祭壇と神殿に向かって王の回りに立たせた。

 レビ人だけでなく、百人隊長も、またイスラエルの民にもすべて武器を持たせました。そして神殿から王子を連れ出します。

23:11 こうして彼らは、王の子を連れ出し、彼に王冠をかぶらせ、さとしの書を渡して、彼を王と宣言した。そしてエホヤダとその子たちが彼に油をそそぎ、「王さま。ばんざい。」と叫んだ。23:12 アタルヤは、王をほめたたえている民と近衛兵の声を聞いて、主の宮の民のところに行った。23:13 見ると、なんと、王が入口の柱のそばに立っていた。王のかたわらに、隊長たちやラッパ手たちがいた。一般の人々がみな喜んでラッパを吹き鳴らしており、歌うたいたちが楽器を手にし、賛美の拍子をとっていた。アタルヤは自分の衣服を引き裂き、「謀反だ。謀反だ。」と言った。

 イスラエルの民は、本当に喜び、賛美していたことでしょう。今、神殿にやって来ている人々は、神を求めてやってきた霊的な人たちです。彼らは、この王の即位を喜びました。

23:14 すると、祭司エホヤダは、部隊をゆだねられた百人隊の長たちを呼び出して、彼らに言った。「この女を列の間から連れ出せ。この女に従って来る者は剣で殺されなければならない。」祭司が「この女を主の宮で殺してはならない。」と言ったからである。23:15 彼らは彼女を取り押え、彼女が馬の門の出入口を通って、王宮に着いたとき、そこで彼女を殺した。

 こうしてアタルヤは取り除かれました。

2B 主の民の契約 16−21
23:16 エホヤダは、彼とすべての民と王との間で、主の民となるという契約を結んだ。

 久しぶりにユダに霊的改革が訪れました。主の民となる契約をエホヤダが結ばせたのです。ただ主のみを神として、神に属している者として生きる契約です。キリストに対してのみ生きること、これがリバイバルです。

23:17 民はみなバアルの宮に行って、それを取りこわし、その祭壇とその像を打ち砕き、バアルの祭司マタンを祭壇の前で殺した。

 ヨラム、アハズヤ、そしてアタルヤが導入させたバアル礼拝を彼らは粉砕しました。

23:18 エホヤダは、主の宮の管理を定めて、これをレビ人の祭司の手にゆだねた。彼らは、モーセの律法にしるされているとおり、ダビデの指示に基づいて、喜びと歌とをもって主の全焼のいけにえをささげさせるようにと、ダビデが組分けをして主の宮に配属した人々である。

 歴代誌第一の最後のところで学びましたが、ダビデは実に上手に礼拝のための組織を形成しました。彼から礼拝の中で歌うための奉仕が始まりました。その指示どおりに、エホヤダは礼拝制度を復活させました。

23:19 さらに、彼は主の宮の門に、門衛たちを立て、どんなことで汚れた者であっても、だれひとりはいり込ませないようにした。

 先ほどから、民が神の宮の中にはいらないように、またアタルヤが宮の中で殺されないように、そしてここでの汚れた者、例えばらい病人であるとか、汚れているとみなされている人たちを入れないように、気をつけています。主が住まわれるところ、聖なる所だからです。今は、私たちの体が、聖霊が宿られる宮になっています。私たち自身から、汚れを取り除かなければいけません。

23:20 彼は百人隊の長たち、貴人たち、民の支配者たちとすべての一般の人々を率いて、王を主の宮から連れ下った。彼らは上の門をくぐって王宮にはいり、王を王国の王座に着かせた。

 これまで神の宮の中で生活していたヨアシュは、王宮にうつって暮らし始めました。

23:21 一般の人々はみな喜び、この町は平穏であった。彼らはアタルヤを剣にかけて殺したからである。

 不安定要因が取り除かれたので、一般の人々は喜び、町は平穏でした。歴代誌第二の中に、ずっと出てきていますね、安息であるとか平和であるとか、繁栄であるとか、主の正義が立てられたところに結ばれる実が平安なのです。私たちがまことの休みを得たいなら、主のところに来て、主の中に生きることです。リバイバルの実は何にもまして、平和を手に入れることができることです。これまで悩ましていた二心によって心が騒ぐ問題、周囲が混乱や争いがある問題、これらすべては、主に対して献身するときにすべて解決します。

 こうしてユダの国に再びリバイバルが起こったのですが、次に再び下降していく姿を見ていきます。上昇し下降するのですが、全体的に見ると下降しています。神の恵みが必要です。すべての失敗と罪を凌駕する神の恵みが必要です。主がダビデへの約束を守られるがゆえに、滅ぼさないと決められたように、私たちも、神の恵みによって守られる必要があります。ローマ5章には、「しかし、罪の増し加わるところには、恵みも満ちあふれました。それは、罪が死によって支配したように、恵みが、私たちの主イエス・キリストにより、義の賜物によって支配し、永遠のいのちを得させるためなのです。(20-21節)」とあります。恵みが支配するとき、義が支配し、永遠のいのちがあります。これによって、初めて私たちは堕落した性質にともなう滅びから免れることができます。


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