【補足】「感謝」の力 - ③アメリカに感謝している訳

(補足)アメリカという国は、言わば「文化戦争(Cultural War)」とも言われる、社会的、倫理的価値観の激しい衝突が起こっている所です。(Facebookのプロフィールに、「宗教」「政治観」そして「恋愛対象」と書いてありますね?これは友達を作るときに、必ず知っておかなければいけない背景であり、作成者はその衝突をよく理解しています。)

アメリカがベトナム戦争を起こした時に、反戦運動が学生の間で荒れましたが、それは自然発生的なものではなく、麻薬や東洋神秘、フリーセックスなどを標榜する「ビート・ジェネレーション」と呼ばれる人々の強い影響があります。政治的には極左であり、非常に思想的な人々です。

ちなみに、そうした運動からヒッピーと呼ばれる青年たちが現れ、さらにそのヒッピーたちから「ジーザス・ムーブメント」と呼ばれる、新生したクリスチャンの誕生があり、今、アメリカ福音派教会の指導者の多くがその世代の人たちです。

そしてそうしたビートニック(ビート世代の人々)の影響を受けた人々が今、社会的地位を得ており、大学教授、政治家、マスコミなどでアメリカ全体に影響を与えるようになりました。その結実がバラク・オバマ氏の大統領当選です。

私たちは、彼が演説をしているのを見たときに、「私たちが知っているアメリカのイメージとどうしても合わない。」と感じていました。彼から出てくるものが「暗い」のです。私たちの知っているアメリカ人が持っている、底力のような明るさがないのです。

けれども私たちが知らなかったのは、こうしたリベラルの人々の存在でした。彼らはリベラル(自由主義)と言っても、アメリカの建国精神の基盤であるキリスト教への対抗としてのリベラルを位置づけており、キリスト教的伝統価値観からの自由を強調します。

そして教育や知性を強調します。したがって、意識的にキリスト教の神を否定して、自らを知者であると誇る傾向があります。まさにロマ書1章21節にある、「彼らは、神を知っていながら、その神を神としてあがめず、感謝もせず、かえってその思いは暗くなり、その無知な心は暗くなったのです。」という描写が当てはまるのです。

この箇所の後に、パウロは偶像礼拝と同性愛を挙げていますが、まさにそれをこの流れにいる人々は、そのことをも東洋神秘と同性愛行為によって実現させてしまっているのです。

したがって、アメリカの保守的な人々、特に福音派の人々を、イラク戦争を契機に批判し、日本のキリスト教界までが批判していたとき、私は非常に危惧したのです。彼らを批判するということは、つまり、反キリスト教傾向の強い米国自由主義の台頭を許すことに他ならなかったからです。

これが私が、「アメリカの世界への関与自体を否定すると、もっと大変なことになる。」と言った所以です。

感謝を知らないというのは恐ろしいことです。残されているのは無機質な暗闇と、知識によって高慢になった人々による精神的蹂躙です。そして、愛や平安とは裏腹の、激しい敵愾心と憎悪です。

そして既存のもの、先代のものを尊重しないのは、後に全世界を支配する反キリストを迎え入れることに他なりません。

「彼は、先祖の神々を心にかけず、女たちの慕うものも、どんな神々も心にかけない。すべてにまさって自分を大きいものとするからだ。(ダニエル11:37)」

私たちは終わりの日に生きています。感謝することは、もはや、してもしなくてもいいような選択ではなく、意識的に決断しなければいけない時代に入っています。

「終わりの日には困難な時代がやって来ることをよく承知しておきなさい。そのときに人々は自分を愛する者、・・・感謝することを知らない者(になり)(2テモテ3:1,2)」

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