地下鉄サリン事件とシリアの化学兵器

今日は春分の日。東京で桜も開花したということで、心も晴れかになりたいところですね。みなさんはいかが過ごされましたか?

私はニュース記事を眺めていて、ある符号に驚きました。

地下鉄サリン事件から18年 霞ケ関駅で慰霊式

シリア政府と反体制派、化学兵器使用と双方が非難

A young boy is treated in an Aleppo hospital after what the Syrian government claims was a chemical weapons attack. Picture: REUTERS/George Ourfalian
A young boy is treated in an Aleppo hospital after what the Syrian government claims was a chemical weapons attack. Picture: REUTERS/George Ourfalian

東京で起こった日の前日に、戦闘行為として化学兵器使用が遠く、シリアで行なわれてしまいました。

地下鉄サリン事件を私たち日本人はとかく単なる事件とみなし、悲劇的な出来事であるとしか考えない傾向がありますが、世界的には日本において、「大都市で一般市民に対して化学兵器が使用された史上初のテロ事件として、全世界に衝撃を与え、世界中の治安関係者を震撼させた」ものです。(ウィキペディア)

下は今年1月9日に掲載された、ニューズウィークの記事です。

シリア内戦で高まるサリン使用の現実味
 米NBCテレビは先週、シリア軍が化学兵器の一種であるサリンの原料物質を爆弾に搭載したと報じた。その爆弾を戦闘爆撃機に載せれば、標的の上空から投下できる。

 サリンは、ごく微量で人を死に至らせる場合もある極めて致死性の高い神経ガスだ。アサド政権はこの原料となる物質をおよそ500トン蓄えているとされる。アサドがその気になれば、いくつもの都市を滅ぼせることになる。

考えてみれば、イランの核開発とその脅威に対抗するイスラエルと世界があるわけですが、核兵器が初めて使用された悪夢を見たのも、この日本です。平和で安全だと思われている国で、意外に、全世界を恐怖に陥れる原型と呼びうる出来事が起こっているのは、不思議です。

アサド政権に戦っている反体制派は、イスラム過激派が主導権を持ちつつある状況になっています。したがって、次のような情報分析が成り立ちます。

日本ではあまり報道されていないので正確な議論をするのは難しいため、飛躍的な結論のように聞こえるだろうが、現下のシリア危機だが、当初は基本的にサウジアラビアとイランの代理戦争という意味合いが強かった。が、混迷が深まるにつれ、事態の深刻化には反イスラエルのイスラム過激派の拡大がある。西側諸国としては、独裁者アサド大統領を「民衆の力」で倒せばそれで事態が好転するというおとぎ話のようなことはまるで想定されず、むしろ化学兵器の管理のためにアサド大統領の勢力を温存しておいたほうがよいというのが、これまでの実際上の行動判断の基底にあった。それが崩れつつある。そこが一線でもあった。(「極東ブログ」2012年7月22日

本当にどうなるのかが分からない、というのが正直なところです。

ジョエル・ローゼンバーグ氏による、世界情勢を予言するかのような小説シリーズの、おそらくは最終版になるのではないかと思われる、”Damascus Countdown(ダマスコのカウントダウン)”ができました。ジェット機をハイジャックし、神風特攻隊のように合衆国中枢部を攻撃するところから、小説が現実となっていったそのシリーズが、今度は、「ダマスコがこの内戦を通して、なくなってしまうのではないか。」という可能性を醸しだしています。それは次のイザヤによる預言があるからです。

ダマスコに対する宣告。見よ。ダマスコは取り去られて町でなくなり、廃墟となる。(17:1)

ダマスコは世界最古の都市とも言われており、これまでの歴史で倒されたことはあったものの、「なくなり」「廃墟となる」というところまでには至りませんでした。つまり、この預言は将来に起こるものです。これが、今回の内戦の延長にあるのかどうかは分かりません。けれども、今のシリア情勢を聖書預言のレンズを通して見なければいけないことは確かでしょう。

そしてシリアのキリスト者のために祈らねばなりません。決まって、このような時に最も小さな声はキリスト者であります。今回の激しい戦闘地域、そして化学兵器が使用された町はアレッポであり、キリスト教徒が多くいる町でもあります。しかし同時に、信仰を持っている兄弟たちがこの危機に福音を同胞に伝えることのできるよう、祈らねばならないでしょう。

最後に、60キロ先にあるダマスコのことを思いながらシリア国境で御言葉を分かち合った、イスラエル旅行記のビデオをここで紹介します。

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