世界を見てから「日本」を見る

私が息抜きとして見ているテレビ番組で楽しみにしているのが、「そうだったのか!池上彰の学べるニュース」と、「世界を変える100人の日本人」です。

前者は、日頃のニュースの話題を小学生にでも説明するように簡単に説明します。けれども、その分、主観や意見を狭まずに現在起こっていることをありのまま説明してくれるので、自分自身で考えられて楽しいです。そして後者は、日本では有名ではないけれども外国で非常に大きな貢献を行なっている埋もれた日本人を見つけ出しています。前々から日本人は良い意味でマニアック(一芸を極める)だなと思っていましたが、やはりそうだなと関心しています。この二つの番組に私が感じている共通テーマは、「日本を中心とした国際感覚」だと思っています。

「池上彰のニュース」で最近、放映された中で衝撃を受けたのは、米国の有名大への日本人大学生の数が激減していることです。ハーバード大学の今年の入学生は確か五人、マサチューセッツ工科大学はゼロです。以前、他のニュース番組でも見たことがありましたが、確か韓国や中国の留学生の数はかなり増えているとのこと。高校生の時から米国への留学にあこがれて、大学卒業二年後に実際に渡米した私と、大学と大学院を米国で卒業した妻にとっては、全然理解できませんでした。

池上さんは、「学力低下は、単に『ゆとり教育』の結果なのでしょうか。」という問いかけをしていましたが、私も同感でした。知識量の低下以上に意欲の低下が起こっています。どうも保守政党の公約の中にある「詰め込み教育」の再生や「国や伝統を愛する道徳教育」が解決になるのかな?と疑問でしたので、納得した次第です。

そして日本の製品の国際競争力の激減も取り扱っていましたが、他のニュースで韓国サムソンは、世界中に、ただ現地にいて、何もしなくていいからその現地のことを知ることを仕事に課せられている人々が散りばめている話を聞いていました。池上さんは、「例えば中国の農村で、洗濯機をじゃがいもを洗うのに使っていたけれども、それを見て、『何も分かっていないな。』と評価するのではなくて、『なら、じゃがいも洗浄機を作ればいいではないか。』と考える発想です。」と説明しておられました。私も、ビジネスニュースなどで、サムソンの担当者とソニーの担当者のインタビューを聞いたとき、「ソニーの人はずいぶん自社製品に過剰な自信を持っていて、世界に目が向いていない。危機感を持っていないな。」と感じていたところでした。

やはり、今、「日本の中身ばかり見ていないで、とりあえず世界を見てみては?それから日本の持ち味を生かした分野を発掘してみては?」という気持ちがあります。まだまだ開拓できる分野がありそうなのですが、どうしても国内にいると内向きになってしまいます。一度、外を見たほうがいいと思います。