韓国・朝鮮関連の書籍 その1

イスラエルと中東関連の書籍をブログでたくさんご紹介していますが、以前は、韓国・朝鮮関連の本をむさぼり読んでいた時期がありました。その中には自分の考え方や人生に大きな影響を与えたものがあります。その一部をご紹介したいと思います。

まず、拉致問題が表面化した直後読んだのですが、在日朝鮮人の民族機関である総連の元幹部が告白した次の本です。

「わが朝鮮総連の罪と罰」韓 光煕著

あらゆる憤りを感じた本でした。「民族差別だ!」という怒号の裏で行なわれていたあらゆる悪を、包み隠さず告白している本です。私はそれまで、36年間の日韓併合という日本の罪だけを考えていましたが、その過去の清算の努力を逆利用して、さらにとてつもない罪と悪を行なっている人間の堕落を見ました。人間はここまで悪くなることができるのか?と愕然した次第です。

ここから敷衍して、「過去に大変な環境の中にいた人に対して、その人の悪を悪だと言ってあげないこと、かわいそうだといって、罪を指摘しないことは、かえってその人の罪を助長することになり、愛ではなくその人を憎んでいることなのだ。」という結論に達しました。

例えば、親から虐待を受けていたために、自分の子供を虐待している人に、それを罪であること、そして罪の代価は死であること、悔い改めて、神からの罪の赦しを得なければいけないことを強く訴えなければいけません。これこそがその人が罪の連鎖から解き放たれる福音の言葉です。

「在日韓国・朝鮮人に問う―緊張から和解への構想」佐藤 勝巳著

同じく在日の人たちについての本ですが、彼らの人権運動に深く携わった人が厳しい目で彼らの日本社会における自立を訴えている本です。確かに差別はあります。けれども、その差別をかえってカンフル剤にして努力して社会的地位を得てきた人々の証言も載っています。

この本から敷衍して、アメリカにいたときのことを思い出しました。黒人や他の有色人種に限らず、白人の中でも後から来た移民は少数派で差別を受けていました。ある意味、ほとんど全ての移民が、「少数派から多数派」になるまでの不断の努力、差別を受けようとも自らの努力で切り開いていく姿を知りました。

私は実力をもったそのような在日の方々が社会的進出をして力を得ている姿を見て、すばらしいなと思います。それをねたみ「在日のくせに」などと言ったらそれこそ民族差別であり、同胞の日本人に「恥を知れ!」と言いたくなります。

確かに差別はあります。けれどもその解決は社会制度の是正以上に、個々人の努力です。それによって差別をしていた人が、かえって恥じ入るようになります。