人種差別主義のルーツはダーウィン

(7月6日にフェイスブックで投稿)

日本人が生活を日常でする時に、「人種」についてあまり気にしないと思います。ほぼ同一の民族であるし、皮膚の色が違う人がいれば、「外人さん」で済ませてしまうからです。

アメリカに住んでいた時も、私は、その多民族の国のありかたを楽しんでいました。私は日本人ですが、他のアジア系の兄弟姉妹と交わると、どれほど共通点があるか分かりますし、多様な人々がそれぞれの文化を保ちながら、けれども、アメリカという国に忠誠を誓い、愛しています。

しかし、「人種(race)」という言葉を使うと、嘔吐したくなるというか、鳥肌が立つというか、単なる民族差別とは違う、おぞましいものを感じます。この頃、頻繁に、人種差別問題が語られますが、単なる民族差別とは種類を異にしています。

優生思想を取り上げると分かるでしょう。「障碍者は、生きるに値しないのだ。」「動物以上ではあるが、完全な人間ではない。」と聞いたらどうでしょうか?唾棄すべき考えです。

過去に欧州の列強が、どうして、あれほど恐ろしい植民地政策と帝国主義を推し進めることができたのか?黒人は劣等であるという考えに基づいてであります。アジア系また日本人は、識字率が高かったり、彼らの視点から文明が発達しているとみなし、かろうじて生き残ったけれども、それでも、虐げから完全に免れたわけではありません。

これらを支えているのは、「ヨーロッパ人種」が、ちょうど類人猿から人間に進化したように、優等な人種であり、他の有色人種に優るという考えに基づいてものです。

ダーウィンは、「種の起源」に、「自然選択の方途による、すなわち生存競争において有利な人種の存続することによる、種の起源」が副題として付けました。シェア元の記事は、ダーウィン理論こそが、忌まわしい、消去したいほどの文化だとしています。

Time to Cancel Darwin

ダーウィンによる続編の著作「人間の進化と性淘汰」に、もろ、濃厚な人種主義が描かれているそうです。過去の植民地主義の発想を持っているのは、皮肉なことに、欧米の進歩主義、リベラル思想です。

The Dark Side of Darwinism

 近代の歴史において、国際連盟で、非白人の国で唯一、列強入りした日本が、人種的差別撤廃提案を出しました。当時、多くの非欧米の国々や米国内の黒人も大きな期待をかけました。ウィルソン米大統領が却下したことによって、黒人は怒り、全米で暴動、日本は孤立の道を歩み始め、それが第二次世界大戦の、「欧米列強による植民地から有色人種を解放する」という、八紘一宇の理想を掲げた戦争へとつながります。その戦争で多くの過ちを犯しましたが、結果として、植民地支配を受けていた国々がようやく独立することとなりました。

その分、余計に、私も「人種」という言葉を聞くと、忌まわしいものを感じるのかもしれません。一つに、人間の理性を崇拝した、人間性を無視した思想への拒否感であり、もう一つは、戦争をして血みどろにならないといけないほど、この考えが人類に染みついてしまった、ということです。

「人種差別主義のルーツはダーウィン」への2件のフィードバック

  1. 日本の人種的差別撤廃提案を出して、日本が孤立したそうですが、それがかかれてる文献を教えて下さい。

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