「日本占領と「敗戦革命」の危機」を読んで

 ついに、私の頭の中の戦中、戦後史、情報史学(インテリジェンス・ヒストリー)と呼ばれるものの中で、次の本を完読しました。

「日本占領と「敗戦革命」の危機」江崎道朗 著

 江崎道朗さんの一連の著作、すなわち「アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄」そして「コミンテルンの謀略と日本の敗戦」が前著にありますが、それは、先の大戦とその後の米国の対日姿勢の中に、ソ連からのコミンテルン(国際共産主義運動)の分断工作があった、というものです。

 ルーズベルト大統領の政権の中枢に、ソ連からのスパイがかなり浸透しており、ルーズベルト自身が誤った政策によって、彼らに利することになりました。日本は日本で、コミンテルンの影響力工作によって、右翼の全体主義化が起こり、中国大陸への深い浸透と拡大を引き起こし、英米をそこに巻き込ませた、また統制経済における失策で、これまたコミンテルンを利する行動をしてしまった、ということです。

 その中で、日本国内では民主主義的な立憲君主制、そして経済の自由主義を奉じる保守自由主義者らの存在を浮き彫りにし、彼らも戦時中は、弾圧の的になり、そして米国では、日本を叩いたら東亜の共産化の歯止めが取れてしまうと懸念する、保守派の存在を浮き彫りにし、しかし、彼らの声は政権内では当時、小さかったことを述べていました。

「敗戦」の処理こそが、最も大きな危機

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1月のビズテリア新年会と勉強会のお知らせ

ビズテリア・クラブによる、次回の夕食懇親会は新年会となります。私(明石)を通しての申込みの方は会員価格になりますので、まず私のほうに連絡してくださり、それからオンラインで下のリンク先から申し込みをしてください。

ビズテリア・クラブ新年会 開催概要

これまで特別講師として、西岡力教授中山泰秀議員、江崎道朗氏(評論家)、そして和田政宗議員などがいらっしゃいました。 続きを読む 1月のビズテリア新年会と勉強会のお知らせ

「アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄」キリスト者としての書評

 「コミンテルンの謀略と日本の敗戦」に引き続き、江崎道朗さんによる本書ですが、こちらも、ぐいぐいと入っていき、一気に読み終えることができました。こちらは、ますます自分の抱いていた疑問に対して、まっすぐに答える、いわゆる情報史と呼んだらよいのでしょうか、ソ連やアメリカ共産党の影響力工作から見た、日米対立の背景を詳細に描いています。

アメリカがスターリンと共闘していたという矛盾

 私には、アメリカ人の友人ががたくさんいます。ある時、日本に訪問した友人の牧師と街中を歩いてきた時、彼が日本共産党の街宣車を見て、「ええっ、日本には共産党があるの?」と驚いていました。それで私は笑いながら、「戦時中は、我が国に、貴方の国は共産主義者と一緒に戦っていましたからね。」と答えると、苦笑いをしながら「その通りだ」と言っていました。

 アメリカの庶民の多くは根っからの反共です。私の友人たちの多くが福音派の信仰を持ち、かつ政治的に保守的な人が多いです。けれどもかつて、なんとスターリンの支配するソ連と連携し、日本と戦いました。私はそのこと自体が、潜在的に信じがたいものとして、教科書の近代史を読んでいたものです。そして戦後間もなくして、急旋回して、今度は対ソ連、対中国の防波堤として、日本に自衛隊や日米安保の圧力をかけて来るという現代史は、これまた信じがたいものでした。これが同じアメリカなのか?と思ったものです。 続きを読む 「アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄」キリスト者としての書評

クリスチャンのビジネス・パーソンの皆様へ 「ビズテリアの懇親会」

ビズテリア・クラブによる、経営者向けの意見交換会、政策提言など、様々な催しに関わってから、一年以上が経ちました。(関連記事)その間に、数多くの、主にスタート・アップ関連の経営者の方々にお会いし、また何人かの政治家にお会いすることができました。その都度、牧師として、イスラエルや世界情勢を通して、聖書の話やキリストの福音のことも聞いていただいています。

先々月から、月例(第三週の木曜日)の懇親会とその前の分科会に関わらせていただいています。第一回目は、西岡力先生がスペシャル・ゲストであり、二回目は、中山泰秀議員と評論家の江崎道朗さんがスピーチしてくださいました。

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