この時期に忘れてはいけない中東

一つ、ブログ記事をご紹介します。

「今、中東で何が起こっているのか」

中川健一師のエジプトの民主革命についての評論です。ぜひご一読を。私が同感だったのは、この言葉です。

さて、東日本大震災(3/11)以降、私たちの関心は被災地と原発事故のその後の状況に向けられてきた。いわば、今日に至るまでのおよそひと月間、「海外情報の空白期間」が生じているのである(本稿を4/15に執筆している)。久しぶりに中東情勢に目を転じてみると、余りの変化に仰天せざるを得ない。かつて10年かかったことが、たったひと月、あるいは数日で起こってしまう。これが今の中東情勢である。

東日本大震災は、空襲、原爆投下、敗戦という歴史的転換を余儀なくされた出来事に匹敵するぐらいの、現在進行中の大きな出来事です。したがって、多くの関心と祈りが注ぎ込まれてしかるべきですが、かつて日本が通ったところを繰り返してはならないと思います。

日本が終戦した1945年の3年後にイスラエル国が成立しました。それは、中東において十数世紀以来の大きな出来事、聖書預言的に極めて重要な出来事であり、まさに激変です。ところが、日本自身はその戦争の加担者であり、その戦後処理の真っ最中だったため「空白期間」になってしましました。

そのため、イスラエルを取り囲む中東情勢において、最も基本的な共通認識において日本は欠けて出発し、ハンディを負っています。

同じように、今、中東で激変が起こっています。日本の復興も大事ですが、世界情勢の枠組みの中での日本をわきまえ、その視野での復興を願うばかりです。

後記:ちょうどタイムリーに、NHK BS1番組で中東の民衆革命の特集番組のお知らせを見ました。

Project Wisdom(プロジェクト ウィズダム)

中東革命2回シリーズ
第一回 5月1日 20:00-21:50 チュニジア
第二回 5月8日 20:00-21:50 エジプト

これからさらに増幅する苦しみ

「また、戦争のことや、戦争のうわさを聞くでしょうが、気をつけて、あわてないようにしなさい。これらは必ず起こることです。しかし、終わりが来たのではありません。民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、方々にききんと地震が起こります。しかし、そのようなことはみな、産みの苦しみの初めなのです。(マタイ24:6-8)」

この「産みの苦しみは」は既に始まっています。そのことを知るのに、非常に興味深いYouTube動画がありました。

核爆発の年表(1945-1998年)

今も続いている福島原発の放射能漏れについて、中国やアメリカ西海岸におけるパニックのニュースを見ましたが、この動画年表を見ると、よっぽどアメリカと中国のほうが放射能汚染されているのではないか?と思いました。私がここで懸念しているのは核実験のことではなく、客観的事実に基づかず不安に突き動かされ、生活が振り回されている人々が多いことです。特に、日本を離れた外国人、恥ずべきことに、最後の最後まで居残るべきはずの宣教師の一部がマスコミ報道に煽られて出国したことです。

そして次の動画をご覧ください。

1000年間の戦争

戦争の噂を聞いただけでは、まだ終わりではないと言われたけれども、世界的規模での戦争が起こったらそれは産みの苦しみであるとイエス様は言われました。それを映像で、第一次、第二次世界大戦が起こったところからその様相を呈していることを見ることができます。

この徴に伴い、飢饉と地震があります。その頻度と規模においてここ二・三年は本当に酷いですが、もっと酷いのがこれからどんどん起こります。韓国の人たちの多くが、日本在住の家族を無理やり帰国させた感じなのですが、「今、どこにも安全な場所はないのですよ!」と言えます。主こそ私たちの大岩であられ、主の御翼の陰に隠れていることこそが安全なのです。

買いだめはあったものの、日本の人たちは本当に冷静であり一致団結しています。このことを私は驚き、誇らしくさえ思います。けれども日本人の人たちにも問題はあります。この地震をもってしても、「自分たちで何とかできる」という自存心を持っていることです。

今回の地震は、神の憐れみです。終わりの日に下される神の御怒りに比べたら、今回の規模は極少なのです。そして平常時であっても、キリストを拒み死んだ大勢の人々は永遠の苦しみの中に置かれているのです。そこから救われるようにと願って、神が注意喚起を与えられたのが今回の地震です。「神様、なぜこんなにたくさんの人をあなたは殺されたのですか?」と問うのではなく、「神様、なぜこんなにたくさんの人がまだ生き残るようにしてくださったのですか?」と問うべきです。

聖書の「リビア」

北アフリカと中東における反体制運動で、エジプトの次に大変なことになっているのがリビアです。私たちキリスト者が忘れてはならないのは、「北アフリカと中東」は古代から聖書の舞台だったこということです。したがって、今起こっていることは決して私たちの信仰とは無縁ではなく、むしろ、神がご自分の預言の中で前もって語られていることへ向かう、一つの場面であることを知る必要があります。

エジプトについては、すでにイザヤ書19章を始めとする神の預言によってその行く末を見ましたが、リビアについても神は黙っておられませんでした。

一つに、リビアを神が福音をもって愛されたという事実です。使徒2章10節に「エジプトとクレネに近いリビヤ地方などに住む者たち」とあります。クレネは一般に「キュレネ」と呼ばれている世界遺産のある町であり、ギリシヤ・ローマ時代に栄えたところでした。ここに当時、離散ユダヤ人の住民がおり、五旬節にエルサレムに上ってきたさい、聖霊降臨の場面を目撃して、ペテロの説教によって悔い改めました。

実は聖霊が降られる前に、目の前で主ご自身を見た人がいます。そう、イエス様の十字架を担いだのはクレネ人シモンです(マルコ15:21)。

そして使徒行伝には、驚くべき記述があります。ユダヤ人ではなく異邦人にも福音を宣べ伝えた無名の兄弟たちの中に、クレネ人がいるのです(11:20)。彼らの働きによって、信者たちの間に神は異邦人にも目を向けてくださっているのだと悟り始めました。

そしてアンテオケの教会で、指導者としてバルナバとサウロ(パウロ)に手を置いて宣教に送り出した一人は「クレネ人ルキオ(13:1)」でした。

もう一つは、リビアはノアから分かれ出た諸国民のうち、ハムの子孫の一つとして数えられていることです。ハムの息子に「プテ(創世10:6)」がいます。「ユダヤ戦記」「ユダヤ古代誌」を執筆したヨセフスはプテをリビアだとしています。ここで創世記10章にある民族分布図を見てみましょう。


(http://www.freemaninstitute.com/より)

そして今回、反政府デモが起こっている地域を見てください。

とても似ていますね?神がこの地域に今、何かをされていることは間違いありません。

そして次に、リビアはエゼキエル38章における「ゴグとマゴグの戦い」に参与する国として登場します。

ペルシヤとクシュとプテも彼らとともにおり、みな盾とかぶとを着けている。(5節)

ペルシヤはもちろんイランのこと、そしてクシュはエチオピアとスーダンを合わせた部分です。最近、スーダンで選挙が行なわれ南部の独立が決まりましたが、そこも非常に不安定な地域です。

それで、ゴグとマゴグの戦いの地図も見てみましょう。


(http://eindtijdinbeeld.nl/より)

いかがでしょうか?これも、今、反政府デモが起こっている地域と似ています。

そして最後に、リビアは反キリストが攻め入ってくる国々の一つです。

彼(反キリスト)は金銀の秘蔵物と、エジプトのすべての宝物を手に入れ、ルブ人とクシュ人が彼につき従う。(ダニエル11章43節)

ここの「ルブ」はリビアのことです。

したがって、これからの情勢は、ゴグとマゴグの戦いにあるように、一気にこの地域が反イスラエルに傾き、おそらくはイスラムによって固められるでしょう。(そうでないことを願います。モサブ氏はブログで、イスラムから人々が去っていくだろうと話しています。)

(以上、参考記事があります。BIBLE PROPHECY AND THE FUTURE OF LIBYA

今、イスラムの終末論についての本を読んでいます。彼らが待望しているイスラム版メシヤである「マーディ」と「反キリスト」が酷似していることを論じている本です。

http://www.joelstrumpet.com/

後日紹介しますが、ユダヤ教とキリスト教を借りた新興宗教のようにして出現したイスラム教は、実は、終わりの日の絵図にしっかりと組み込まれていることを思います。

万物の終わりが近づきました。ですから、祈りのために、心を整え身を慎みなさい。何よりもまず、互いに熱心に愛し合いなさい。(1ペテロ4:7-8)」

「キリラム教」アメリカで広がる

「キリラム教????」と思われたかもしれません。これは、次の英文記事のことです。

Chrislam Starts To Spread In America

キリスト教とイスラム教の融和を唱え、ムスリムと抱擁し、教会の中でなんとモハメットのことやコーランについて教えているのです!

昨日、モリエル・ミニストリーの東京集会に参加しましたが、以前と同じく、サドルバック教会のリック・ウォレン牧師のことが話の中で出てきました。私は英語で彼の教えていることや行なっていることの情報を得ていたので、彼がどれほど彷徨ってしまっているか聞いてもさほど驚きませんでしたが、日本語にはっきりと通訳されて聞くと、やはり新鮮に聞こえます。今やかなり有名な人になので、中にはかなり驚いている人もおられました。

モリエル日本の方が紹介されている翻訳記事もここにご紹介します。

リック・ウォレンについて

大事なのは「対話」でも「融和」でもありません。魂の「回心」です。キリスト教会の中で、例えば「同性愛をことさらに裁くのをよそう」であるとか、同性愛者の社会的位置の中で教会での対応を話している記事を日本語で読んだことがあります。

けれども、そこで見失われているのは、同性愛によって「どれだけ心に傷を負っており、多くの人がどれだけ性病によって苦しめられ、できるならばこの縄目から解き放たれたいと願っているかどうか。」なのです。人々から疎外を受けているという以上に、個人の心の奥底で救いを求めて泣き叫んでいるということです。その救いの力が福音なのです。

同じように、イスラム教徒の人たちも愛の神を知りません。「イスラム」とは服従という意味で、アッラーに服従しこそすれ、愛されているという意識はありません。けれども、キリストの愛に触れられて、どれだけ解放を受け、慰められた元ムスリムのクリスチャンたちがたくさんいることを知らなければいけません。

カトリックも同じです。自分の義を秘蹟(洗礼や聖体拝領などの礼典)を通して知ろうとして、イエス様の名前で直接、父なる神に近づくことのできる恵みを、マリヤ崇敬、司祭制度などによって知ることができていません。イエス様が個人的な主、命の主になっていないのです。こんなにすばらしい救いがあるのだよ、恵みがあるのだよ、という解放を得た、元カトリックの人たちは大勢います。

福音の力を、人間的な「対話」や「融和」によって緩めてしまうことは、この福音による解放と自由の機会を与えずに、その束縛の中でがんじがらめにするという、「愛や寛容」とは程遠い態度をその人たちに取ることに他なりません。

リック・ウォレン氏の問題については、終末論の中でも昨日、ピーターさんが話してくださいました。彼の考えは、「クリスチャンが社会と世界に対して良い働きをして、世界全体を良くしていき、それで再臨のキリストを迎えよう。」という千年王国後再臨説に基づくものだ、と話しておられました。

私も常々、彼の教えていること、行なっていることについて問題に感じているのはこの部分で、「人が救いようもない堕落した存在だ」「神の恵みこそが、私たちを救う」というを見ることができないことです。神の主権ではなく、人間の主体的な実践と努力によって物事を前進させていこうとする態度です。

私は彼が異端だとは思いません。でも彷徨ってしまった兄弟のように感じています。けれども、彼の影響力は甚大で、結果的に、教会の背教またバビロン化(黙示17章)の中の一端を担ってしまっています。

彼が、初めの愛とキリストの恵みの中に立ち戻ってくれることを願ってやみません。

(追記)
モリエル・ミニストリーについて、ロゴス・ミニストリーまたカルバリーチャペルと違う点があることを、昨日、ある姉妹が指摘してくださいました。携挙の時期についてですが、私たちは、患難期の前に主が教会のために戻ってきてくださるという聖書理解をしています。(参照「患難と教会」チャック・スミス著)モリエルの方々は患難の中期に携挙があると理解しておられるようです。

私個人は、「今すぐにでも、どんな徴候がなくても、キリストが私たちのために戻ってきてくださる。」という期待と切迫性が、日々の信仰生活の要になっているので、どうしても、すでに徴が明らかな患難期に入ってから携挙があるという時差をつけることができません。また、艱難という神の怒りから救われるというのが慰めの根幹になっているので、不信者のために蓄えておられる御怒りを信者が受けるとは考えられません(2テサロニケ1-2章)。

けれども、千年王国がキリストの再臨によって始まるという聖書的理解においては一致しており、その立場を聖書からきちんと教えておられたので理解の大きな助けになりました。

(後記)
モリエルの「だいすけ」さんが、さっそく上のキリラム教についての記事を翻訳されています。また、リック・ウォレン氏の霊的な問題を、アッシリヤの王にすがるアハズ王から指摘しておられます。ぜひご一読ください。

リック・ウォレンはアハズ王だ

「預言」の言葉

「預言」と言ってもいつもの終末に関する聖書預言のことではなく、御霊の賜物である預言の言葉のことです。

今朝、心の芯から慰められるメールを受け取りました。

Just a short note to let you know we are praying for your ministry in Tokyo. Our God is an awesome God and He loves to bless His children. Keep asking Him for your needs and for His wisdom and He will suppy you with His abundant love. He will surpass your expectations in amazing ways. God has planned to bless your ministry. I find the prophet Isaiah instructing us concerning God’s promises. He encourages us saying:
“Search from the book of the Lord, and read: Not one of these shall fail;Not one shall lack her mate. For My mouth has commanded it, and His Spirit has gathered them.” Isaiah 34:16

I encourage you to keep a journal of the many ways God is leading you and blessing your ministry–the everyday answers to your prayers. It will serve as a continuing reminder of His love for you.

Your sister in Christ,

下が意訳です。

東京における、あなた方の奉仕の働きためにお祈りしていることをちょっと伝えたくて、メールを出しました。私たちの神は大いなる方で、ご自分の子供を愛しておられます。自分の必要のこと、神からの知恵を求めつづけてください。神は、その豊かな愛をもってそれらを満たしてくださいます。あなたの期待をはるかに超えるように、驚くべき方法で祈りに答えてくださいます。神は、あなたの働きを祝福するようにご計画されているのです。神の約束について預言者イザヤがこのように私たちを教え導いています。こう私たちを励ましています。

主の書物を調べて読め。これらのもののうちどれも失われていない。それぞれ自分の連れ合いを欠くものはいない。それは、主の口がこれを命じ、主の御霊が、これらを集めたからである。(イザヤ書34:16)

神が導かれていること、あなたの奉仕を祝福してくださっているいろいろな事、日毎の祈りの答えを書き留めておかれると良いでしょう。そのことで、あなたへの神の愛をいつまでも思い出すことができるでしょう。

私が12月に日本に戻ってきてから、期待をはるかに超えて驚くべき速さで事が進んでいます。そして祈りの課題をメールで配信するや、すぐにその答えが神から与えられています。ただただ、神の真実をほめたたえざるを得ませんでした。

ところが、ある人から、押しつげがましく感じるという趣旨のメールをいただきました。メールのやり取りで、善意から書いてくださったことは理解でき安堵しましたが、人間とは弱いもの、続けて神の恵みを報告する気力が弱まっていました。そこで受け取ったのが上のメールです。この方はおそらくカルバリーチャペル・コスタメサの方だと思いますが、初めて聞くお名前でした。けれども、まるで私の心の内面を全て知っているかのように的確な励ましの言葉を与えておられるのです。

実は少し前にも、同じように的確な内容の励ましの言葉をいただいていました。(その時は、「あなたの主にある喜びを主が保っていてくださいますように。」という内容でした。)

聖書では、これを「知識の言葉」と言います。コリント第一12章に出てくる御霊の賜物の一つです。超自然的にある人の状況についての知識が与えられます。そして、それを言葉に出して話すと「預言の言葉」になります。「預言」というと、「主は仰せられる!あなたは大きな試練に遭うことになる。」など、神がかり(?)的な悪いイメージを抱く方がおられるかもしれませんが、実は上のように一般的な言葉や行動の中に超自然的に御霊が働かれることが多いのです。

「ところが預言する者は、徳を高め、勧めをなし、慰めを与えるために、人に向かって話します。(1コリント14:3)」

モリエル・ミニストリー伝道アウトリーチ

去年、紹介させていただいた「モリエル・ミニストリー」の方々が再び東京に来られます。(2月20日(日) 午後5:30~8:30 場所:東京都文京区 勤労福祉会館にて)

実際は今日から兵庫県の西宮からスタートされるようです。下のリンク先のお知らせをご覧ください。

2月の伝道アウトリーチについて

チラシもダウンロードできますが、そこで興味深い文面がありますのでここに紹介します。

考えてみよう。。。
Q 弥生時代に誰が次のようなことを予測できたか?
・世界各地を結ぶ生中継放送
・世界的なテクノロジーの急発展、移動技術の進歩
・環境破壊
・20世紀における地震の急増
・ヨーロッパ各国の連合
・19世紀を経た後のイスラエル国家の再建国
・核技術と核兵器とその恐ろしい結果
・国連・世界銀行などの世界的権威をもつ機関の台頭

前知識のない人々にも分かりやすそうですね。私は20日の晩に行ってみたいと思います。

(後記)
モリエルの通訳者「だいすけ」さんが、ピーターさんのメッセージの一部を要約されました。ぜひご一読ください。

終わりの日と核戦争

イラニウム(Iranium)

すばらしいドキュメンタリーをご紹介します。

この題名は、「イラン」と「ウラニウム」をかけた言葉で、イランの核開発のことを指しています。この問題を、1979年のイスラム革命から世界へのイスラム・テロの輸出、イラン一般市民に対する蹂躙、核兵器開発を突き動かすマーディ(イスラム版メシヤ)待望信仰、歴代の米政権の失敗、一般市民による政権への反対運動を取り上げています。

これまでのイラン問題を取り扱ったブログ記事をリンクします。

エジプトとイラン、そしてEU・アメリカ

Inside the Revolution(革命の内幕)

エゼキエルの見た幻(36-39章)

2010年に核戦争の可能性

安定経済と核戦争危機

キリスト者が考えるべき「エジプト」 - ②聖書預言

それでは、聖書を信じる者たちが、またキリスト者たちが、今のエジプトの混沌とした状態をどのように見ていけばよいのか、神の御言葉と御霊の働きから、希望を得たいと思います。

エジプトは、創世記10章の「ミツライム」から出てくる聖書において重要な国です。この国の行く末を、かつて預言者イザヤが語りました。イザヤ書19章です。

エジプトに対する宣告。見よ。主は速い雲に乗ってエジプトに来る。エジプトの偽りの神々はその前にわななき、エジプト人の心も真底からしなえる。わたしは、エジプト人を駆り立ててエジプト人にはむかわせる。兄弟は兄弟と、友人は友人と、町は町と、王国は王国と、相逆らって争う。エジプトの霊はその中で衰える。わたしがその計画をかき乱す。彼らは偽りの神々や死霊、霊媒や口寄せに伺いを立てる。わたしは、エジプト人をきびしい主人の手に引き渡す。力ある王が彼らを治める。・・万軍の主、主の御告げ。・・

1節から4節の言葉です。これは、当時イザヤがいた時の、アッシリヤ帝国によってエジプトが侵略されるまでの経緯を表している箇所ですが、けれども聖書預言にあるように、この出来事を型として終わりの日に向かうその国の特徴や流れを表しています。

エジプト人同士の間で立ち向かわせる状態は、当時のエジプトを表しているだけでなく、まさに今の状態も暗示しています。

そして4節にある「きびしい主人」また「力ある王」は、ムバラク大統領が辞退してもさらにイスラムによる圧制を強いるムスリム同胞団に移り変わる可能性にも見えてきます。そして終わりの日には、反キリストがエジプトにまで進出します(ダニエル11:42)

そして、5節から15節までもお読みください。5節から7節にナイル川が干上がる神の裁きがありますが、アスワン・ハイ・ダムの建設により、下流地域で灌漑による塩害の発生や土砂の流出の問題が発生していています。

さらに、エジプト人たちが誇ってきた指導者や知者たちの知恵は、これらの出来事の前でむなしいものになります(8-15節)。08年の私たちのエジプト旅行記にも書きましたが、近年のエジプトも、古代エジプトの過去の栄光によりすがる末期エジプトのように、実質を伴わないのに中東の大国としての自信を過剰に持っている姿を見ました。これを神が取り除かれる姿にも見えてきます。

そして16節以降から、このように弱くされたエジプトに対する神の救いの預言が始まります。20節には、こう書いてあります。

彼らがしいたげられて主に叫ぶとき、主は、彼らのために戦って彼らを救い出す救い主を送られる。

これは、紛れもなく再臨のイエス・キリストご自身です。

そしてエジプトはアッシリヤと共に、イスラエルを中心にして主を礼拝する、神の国の姿が最後に描かれています。

したがって、エジプトは主の厳しい御手の中で試みに会いますが、けれども、その試みの中で、イスラエルの神に拠り頼むようになる御霊の流れがあり、そして主の来臨の時には、国民的な回心を果たすという希望を持っているのです!

英語の分かる方は、ぜひ、ジョエル・ローゼンバーグ氏によるショート・メッセージをご覧ください。
What Bible Prophecy Say about the Future of Egypt?

キリスト者が考えるべき「エジプト」 - ①情勢分析

昨日と今日、無事にLCFの初回の礼拝を終えました。さらに新しい方々が来られて、主の新鮮な御霊の働きを感じました。

ところで、続けてエジプトの事についてお話したいと思います。日本人の牧師さんで、この問題について次のようにまとめておられる方がいました。

(1) アメリカ、イスラエル、欧米諸国はこれまで、エジプト国民から見れば「独裁者」の印象が強いムバラク大統領を、「中東の盟主」として支持し、莫大な軍事的・財政的援助を行ってきた。

(2) エジプトにおける反政府デモの参加者は、アメリカ発の Facebook に代表されるようなオープンな通信手段を用い、これも従来アメリカが中東政策に関与する大義名分としてきた「自由」を要求した。それ故に、アメリカは表だっての反対はしにくい。

(3) その反政府デモを支持しているグループの一つに、イスラム原理主義の立場を堅守し、もし政権を取るならばイスラエルとの平和条約を破棄すると言明している「ムスリム同胞団」が加わっている。 もしその通りになれば中東のパワーバランスは一気に変化し、イスラエルは窮地に立たされ、アメリカの中東政策は崩壊する。
http://nobsplace.cocolog-nifty.com/hamuranokaze/2011/02/post-3b85.html

アメリカを中心軸にし、問題の原因としているところが私と視点が違うのですが、よく要点を簡略にまとめておられると思います。(私の見方 - 問題はエジプト国内にある、という自覚が真の民主化をもたらす。)

安定経済と核戦争危機

イスラエル4.7% 日本0.4%

上の数字は何だかお分かりになるでしょうか?ミルトスの社長さんのブログによると、今年の第二四半期のGDP(国内総生産成長率)です。詳しくは英文ですが、こちらのイスラエルの新聞の記事をご覧ください。

アメリカ、殊に日本の経済力が急減速している中でイスラエルはその逆を進んでいます。(世間では中国がGDPを日本を越えたと騒いでいますが、そのブログにも指摘されている通り、一人当たりで考えれば実質のないものです。)

イスラエルは危険で不安定な国だ・・・というのが、私がイスラエルに旅行に行く、あるいは行ったことを聞いた人の九割以降の反応ですが、不安定だったらこのような経済成長は達成できません。

加えて、イスラエルは自国の領域に大量の埋蔵石油を発見しています。
ロシュ・ハ=アインの近くで1.5億バレルの石油が発見

それと矛盾するかのように、イスラエルとイランの関係はこれまでになく危険水域に入っています。イランのブシュール原発にロシアが核燃料装填を決めたニュースは、多くの人がご存知だと思います。英文記事で良質なのが、The AtlanticのPoint of No Returnです。

この「経済的繁栄」と「核戦争危機」という、一見、相反する動きは、以下のエゼキエル書38章の預言の通りです。

あなたは物を分捕り、獲物をかすめ奪い、今は人の住むようになった廃墟や、国々から集められ、その国の中心に住み、家畜と財産を持っている民に向かって、あなたの腕力をふるおうとする。(12節)

そして、オバマ米大統領の強制的な(?)仲介によって、ネタニヤフ首相とアッバス議長の直接和平交渉が始まります。これに実質的な前身があれば「平和」への道に弾みがつきます。

こう言おう。『私は城壁のない町々の国に攻め上り、安心して住んでいる平和な国に侵入しよう。彼らはみな、城壁もかんぬきも門もない所に住んでいる。』(同11節)

この秋に何かが起こっても私たちは、驚き怪しまないようにしましょう!