金賢姫、来日に思う

昨日は、パソコンのOutlookの調子がおかしくなり、とうとうWindowsそのものを再インストールせざるを負えなくなりました。いろいろやりたいことがあったのですが、残念でくやしい一日を過ごしました。

気を取り直して、今回のニュース「金賢姫元工作員来日」についていろいろ考えたことを書きます。

彼女が一度マスコミにたくさん出ていて、しばらく静かになっていて、いったいどうしているのかな?と思っていましたが、彼女自身が書いた手記の中にその理由が書いてあります。

金賢姫氏の書簡全訳

ここを読むと、なぜ彼女が拉致被害者家族に会いに行きたいと思ったのか、その原動力を知ることができます。

大韓航空機爆破事件を韓国政府の自作自演だとする説が韓国の中を吹き荒れていたということ自体、私たち日本人には大きな驚きだと思います。先日、今年起こった、韓国哨戒艦「天安」沈没さえも自作自演だという人々がいるそうです。それを伝えてくださった韓国の人も「昔ならあったかもしれないが、今はないでしょう。」と言って、過去の謀略を否定しませんでした。

けれども同時に、「韓国人は民主主義も分かっていない」と話してくださいました。かつてデモが盛んであった頃のこと。大学の授業の試験を、教授は「個々人が受けるか受けないか決めなさい。」と言いました。ほとんどの人がデモに行きましたが、ごく少数の人が試験を受けることを選びます。すると一人がいかに反動的な分子であるか非難したそうですが、教授が逆に「反独裁を掲げて置きながらお前こそが、独裁者だ。」と非難しました。「民主化」と言っておきながら、個々人に選択権を与えず異論を粛清する態度こそ反民主的だ、ということです。

話を戻して、私は大韓機爆破のような類の大きな事件には「神の摂理」を感じます。「あまりにも話がよくできている」ので、「それを誰かが操作していない限り起こりえようがない。」と考え、陰謀や謀略を考えます。けれども私は人間の能力をそんなに過信していません。謀略はあってもそれはたかがしれており、むしろその企みを使ってご自分の計画を行われる、神の御手を信じています。エステル記のハマンによる謀略がそれを示す最適な例です。

日本でも少し批判されていますが、日本国のことだけを考えると金賢姫氏は到着次第、取調べを受ける身です。日本国旅券を不法に持っていたからであり、もし事前に捕まえていなければ、日本人がこのテロを行ったということになり、日本と韓国は国交断絶という危機が来てもおかしくありませんでした。これを食い止めたのは中東にある日本大使館の外交官たちです。

日本の危機と3人の分析力・行動力

私はその中の砂川氏の著書を読みましたが、それに反論している矢原氏のブログ記事もあります。けれども、その反論はどのようにして、テロリスト二人をどちらが先に見つけたかという議論の中での主張であり、むしろ「自作自演ではないこと」をさらに裏付ける証言となっています。ご本人はこうまとめておられます。

私はこの事件が解決したのは「奇跡」だと思っています。私を含め、一人一人がやったことなど大したことではありません。私にしたところで、「シンイチ」「マユミ」の名前を見つけだし、報告しただけです。しかし、私以外にも多くの人や組織が歯車のように見事に絡み合い、各々の歯車が絶妙なタイミングで動いた、と思っています。そして何よりも、これに偶然と幸運が度々重なり合い、奇跡的にも事件を紐解く結果となったと考えています。

考えても見てください。これだけの大事件が、発生から僅か3日で一定の結論に達したのですから。普通考えられないですよね。世界最大の情報組織であるNSAが全力でかかっても、こんな結果にはならなかったと思いますよ。一般的に、航空機の墜落事故は、犯行声明が出された場合は別にして、その多くは墜落の原因すら特定できず、『推定』でとどまる場合が多いと承知しています。原因が特定されたにしても、かなり時間がかかるのが普通です。数ヶ月後、あるいは数年後に調査結果がでることが多いと思います。この事件は、やはり『運』が大きく係わっていると思います。

あまりにも短時間に、あまりにもスムースに解決してしまった。あたかも誰かが、予めシナリオを描いていたかのように。さすがにこれだけの偶然と幸運の重なり合いは常識では考えられません。だから「韓国の自作自演説」が浮上するのだと思います。
(http://blog.goo.ne.jp/bongore789/e/665f43ee6a41203f686f6dd431b5bc43より引用)

金賢姫が今回来日したときに、このあまり報道されていない彼女の原動力を思いました。日本側から見れば、今回の来日は「拉致事件解明にどれだけ貢献できるのか」という関心でしょうが、韓国内では金賢姫の表舞台への登場そのものが大韓航空爆破謀略説への挑戦であり、親北の世論、団体、そして過去の政権(金大中と盧武鉉)への対抗です。

あと、ハーベストタイムの中川師がメールニュースで彼女にインタビューしたときのことを記しています。彼女のクリスチャンとしての信仰の分かち合いに焦点を当てています。こちらのバックナンバーで読むことができます。

後記:大韓航空機謀略説に対する反論として、金賢姫が北の人間であったことを示す決定的な証拠の記事を、拉致問題に取り組むジャーナリストのブログに連載してあります。

花束少女の謎
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20100726
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http://d.hatena.ne.jp/takase22/20100729
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