国連安保理、イスラエル非難決議を採択 米国棄権 ⑤

シルバートランペットから

PLOの指導者の一人が、今回の国連安保理の決議について、CNNのインタビューに答えています。パレスチナ政府の立場と言ってもよいです。先に私が先に話しました、「彼らの主張していることは、イスラエルの置き換え、借り物だ。」ということをよく表しています。

彼らは、「歴史的にこの土地はすべてパレスチナ・アラブ人のものであり、我々は、交渉の中でイスラエルに譲歩してきた。」と言っています。歴史的に、という言葉がイスラエルからの借り物なのです。もちろん住民には、先祖代々、その土地を受け継いでいる人たちがいます。けれども、民族としてそこを受け継いでいるわけではないのです。民族としては、ユダヤ人がその地を受け継いでいました。彼らが地域の住民であったところから、パレスチナ民族という意識が生まれたのはつい最近のこと、アラファト氏がそれを醸成しました。そしてオスロ合意以後、政府を持てたのですからそれ以後なのです。それだけ新しい概念なのですが、その民族意識自体が、イスラエル人が何千年も抱いている「ユダヤ民族」意識の借り物なのです。しかも彼女は、「パレスチナ国家」という言葉さえ使っています!全くの嘘です。

そして、「パレスチナとしての和平に対する責任は?」という質問に対して、「イスラエルは、世界史の中でも最大の人種差別と、暴力に満ちた国家である。」と言いきっています。まるで、北朝鮮のテレビ放送のような、暴力的な扇動発言であります。世界史の中で?最大の人種差別、最大の暴力?捏造も甚だしいです。もちろん、イスラエルが無欠など言っているのではありません。パレスチナでは生活の不便が強いられ、国を持っていないところにある自尊心の欠如、心の不安定、いろいろな障害、諸問題を抱えていることは知っています。イスラエル人もそれは理解しています。だから大方、二国家案に賛成なのです。けれども、自国をこのように非合法化する相手とどのようにして和平を持つことができるでしょうか?ヨルダンもエジプトも、平和条約をイスラエルと持つときに、そんなことはもちろん言いません。つまり、まだイスラエルとは闘争状態なのだ、という綱領を貫いているのです。

そして、最も大事なのは、「ユダヤ人国家として認めますか?」という質問に対して、宗教や民族を土台にした国は民主国家ではない、と言いきっています!ではイギリスは国教会があり、明確に「キリスト教の国」と定めています。民主主義の国ではないんですか?そしてイスラエルの市民の二割がアラブ人なのです。イスラエルには数多くのムスリムもいます。キリスト教徒もいます。国会には、アラブ政党があります。最高裁の判事にアラブ人がいます。警察にも、社会のあらゆるところにアラブ人がいます!「イスラエル 公用語」とググってください、「ヘブライ語 アラビア語」と出て来るのです!

けれども、国の成り立ちとして、「世界に離散し、そこでユダヤ人であるというだけで差別、迫害、虐殺されてきたのであり、主権国家を持つことによって生存権を保持する。」というものなのです。そのような境遇を持っている隣人の存在を認めない、というのがパレスチナの大義なのです。イスラエルからユダヤ性を無くさないと認めないのでしょうか?それは、日本人から日本語をなくせと言っているぐらい、酷い話です。そしてアッバス議長は、パレスチナが国家となった時には一人のユダヤ人の存在も許さないとしています。イスラエルは二割がアラブ人ですよ、どちらが「アパルトヘイト国家」なのでしょうか?

参照記事:独立宣言から見る「ユダヤ人国家」

私は、パレスチナ自治政府が主張していることは、その通り受けとめていません。そこにいるパレスチナの人々が、とても辛いところを通っていることを知っているし、曲がりなりにも彼らを代表している機関を否定したくないですから。そして、西岸は特に、他のアラブ諸国の生活水準と比べて良いほうではないでしょうか?それはイスラエルを隣国に持っているということもありますが、彼らの行政力ももちろんあります。いろいろな問題があると言っても、それでもそこに人々が生活できているのですから、敬いたいです。

こういった話し方をいつもしている、ということは知っているのですが、問題は、「これを部外者たちが鵜呑みにしない。」ことです。ところが、鵜呑みにしている人々が多すぎる!

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