オバマ大統領「雄弁な言葉を持つ、行動しない指導者」

以下の文章はシルバートランペットからです。オバマ氏の演説は、「心に響く言葉を持っている、しかし腹にまで落ちない、いやむしろ、腸が煮えくり返ることさえあった。」と言えるでしょうか。怒らせても、納得させてしまう指導者もいますが、オバマ大統領は気持ちよくさせて、怒らせてしまうという珍しい人だったのではないか、と思います。「ポスト真実」と呼ばれる時代のそれこそ象徴的指導者だったのではないか?と感じます。

しかし、トランプ次期大統領において、従来のアメリカを取り戻せるというのも、私は個人的には懐疑的です。時代が変わってしまったのではないか?と感じています。誰が大統領になろうとも、どうにもできない道なのではないだろうか?と感じるからです。けれども運命的にはなっていません、むしろ国を救うのは人ではなく、神であるのだという希望を強くします。そして、主は確実に、ご自分の救いの計画を完成に向けて強く動かしておられます。

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オバマ大統領が任期最後の演説をしました。(日本語訳の全文はこちらをクリック

彼の言葉は、これまでの演説の特徴と変わることはありませんでした。理想的、進歩的なことを志向する人々には、実に美しく、気持ちが高揚します。けれども、現実の生身の人間との接触による感覚とは大きな開きがあり、違和感を抱かせ、実際に大きな齟齬が起こって、不満と怒りがかえって溜まる、と言えるでしょう。

まず、肯定的に評価するキリスト教指導者のコメントから紹介します。アルバート・モーラー氏(南部バプテスト神学校校長)によるものですが、保守的福音派の代表的な教団の人が、次の言葉を残しているのは特記に値します。

①米国発の黒人大統領であったことは米国史において歴史的であり、彼の政策に同意できない者たちであっても、世界に誇るべきことだ。

②あまり注目されていなかったことだが、個人生活における道徳的問題、スキャンダルが任期中、一切出てこなかったことである。家族の関係は模範になるほどであった。

しかし、彼の理想的、進歩的姿勢は、日米首脳双方の、広島訪問、真珠湾訪問に代表されるように、同じ価値観を抱く者たちの間では確かに進歩があった、いや、象徴的なメッセージを残したと言えますが、生身の人間たちがぶつかる、現実の世界には、逆効果でした。国内政策においては、民主党大統領候補戦のバーニー・サンダー氏の主張が、トランプ氏のそれとかなり重なっていたことからも、彼の残した負の遺産を示しています。

国際関係においては、その齟齬が中東において如実に表れました。以下に池内氏がアラブ発の記事をシェアし、コメントを残しています。

補足しますと、元記事には次のことが書かれています。

①「背後からの指導」という綱領

オバマ氏の中東と北アフリカに対する政策は、「米国が退いて、他国が介入できるようにする」というものであった。そのことによって、「地域大国がこれを機に台頭し、責任を取るようになった。」ということ。イラクからの撤退を優先させ、エジプトへの援助を削減し、湾岸諸国にイエメンの主導を許し、それがロシアのシリア介入を招いた。

シリアの大虐殺の前で「輝くような演説と共に、頑なに行動に移らなかった」姿勢は、欧州に難民大量移入という人道的惨劇をもたらし、欧州大陸における政治的統一を脆くさせ、欧米の大西洋間の関係に齟齬をもたらすようにさせた。

そして、それがロシアに欧州の境界線(クリミア併合)を勇気づけ、シリア介入をもたらした。

②シリア問題が、ブレグジットとトランプを招いた

シリア危機が、欧州のリベラルによる秩序を脆くし、中東地域に激震をもたらしただけでなく、英、独、仏にも不安定をもたらした。オバマ氏は、シリアをその国内で封じ込めることができると思っていたが、それはできず、むしろ飛散して中東全体の秩序を崩し、欧州の理想そのものを脅かしている。」とのこと。

国連によれば、2200万人のシリア国民の半数以上が難民化し、5百万人以上が国外避難、トルコ、ヨルダン、レバノン、そして欧州に大量流入した。

そして、イスラム国の台頭も伴って、欧州大陸と米国に、恐れと民族・国家主義を急速にもたらした。ブレグジット(英国の欧州連合離脱)はムスリムの大量移入の恐れがなければ起こっていなかったし、トランプ氏もシリア問題がなければ選出されなかった。

③イラン核取引の最優先化

なぜオバマ政権が、シリアに対してあれだけ不関与を貫いたのか?おそらく、シリアの最重要同盟国のイランを孤立化させるのを恐れていたからであろう。

しかし、イランとの核開発取引は、その拡張主義を変えることに役立たなかった。遠心分離機を削減させたからといって、シリア、イエメン、リビア、イラクの市民たちが体験した、大量の流血とは何の関係もなかった。

結論:歴史は、次のように書き記すだろう。「実に雄弁で、口の達者な大統領とその高官は、しばしば人間の苦しみとその政治的結末について多くを語ったが、そのことについて何も行動に移さなかった。

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