「不毛地帯」に見る聖書預言

個人の生い立ち、国の生い立ち

昨日、久しぶりにずっと会えていなかった兄弟姉妹と交わりました。今は結婚し、新しい生命も与えられています。お二人のご家庭の生い立ちを少し伺うことができ、改めて「人と知り合うには、その個人史を知る必要がある。」と実感した次第です。

6月には久しぶりに仙台に帰省しましたが、父が教会で救いの証しをしたその録音したものを聞きました。これまでも断片的に聞いていた、父の両親、つまり私の祖父母のことを聞き、自分のルーツを見た気がして、感慨深かったです。そして父が福島県福島市出身であることも前から聞いていましたが、実は私は福島ともつながりがったのだ、という、実感はまるでないですが不思議な思いになったひと時でした。

私たちの周囲には、断片的情報や知識が散らかしたような状態で存在しています。その情報に一喜一憂し、そして心を騒がせることは、実に神から与えられた時間を浪費していることになります。それらの断片を一つの筋の中で整理して並べていくときに、それが今の自分の発見につながり、そしてこれからの行き先の方向性が見えてきます。

歴史というのは、非常に大切です。

私は韓国の兄弟姉妹から、歴史の大切さについて学びました。日本では韓国から発信される感情的、扇情的な反日姿勢に辟易するし、それらの情報の多くが事実だと思いますが、しかし、もっと水深を下げていくと、歴史的流れを見るあくなき探究という、韓国民にある歴史へのロマンスを見ることができます。そのような人たちに会いますと、私たち日本人以上に、意外に、例えば明治維新のことを知っていたり、一般の人たちの歴史そのものに対する関心度の高さに驚かされます。

実は、聖書というのは歴史の発展によって神がご計画を立てておられるという大きな流れで見ていかなければならないものです。使徒の働き7章では、神殿についての自分の発言について尋問されたステパノが、何の関係もないようなアブラハムからの歴史をそのまま話していくところから始まります。使徒ペテロもパウロも、アブラハムからの歴史を起点とし、その歴史を発展させ、ダビデを頂点として一気に、「イエスがよみがえり、神がメシヤとされた」という結論へ急降下させ、論じているのです。そして神から遠く離れた異邦人にさえも、神は広く、深く降りて来てくださったということ、そこに罪の赦しがあり、恵みがあるのだということを知ることで、私たちはキリスト者としての立ち位置を知ることができ、信仰が安定するのです。

ドラマ「不毛地帯」

humochitai「太平洋戦争」「シベリア抑留」「戦後の安全保障」「日米経済戦争」「油田確保」「原発と次世代エネルギー」そして、「六日戦争」「イラン核危機」、これらの単語を聞いて、一つの流れ、あるいは糸としてつなげることができるでしょうか?

私が衝撃と興奮を抱きながら視聴したドラマに、2009-2010年に放映された「不毛地帯」があります。(あらすじ ・ 動画集

フィクションでありながら、実在モデルのいる小説で定評のある山崎豊子女史の同名小説が原作です。彼女の実在とフィクションの混在(本作では瀬島龍三)はしばしば批判の対象になり、私も彼女の作品の全てに肯定的意見を持っているわけではありませんが、

1.近現代日本の足跡 2.中東情勢 3.日々の健康管理 そして 4.聖書預言と再臨

という流れが見えてくる内容となっています。

最近、安倍政権になってから中韓と米国、また世界から、歴史認識問題に関して批判を受けていますが、ここで日本人にとって悲劇だと思うのは、すぐ近くにある過去が、日本人の間ですっぽり抜けているということです。国内においてさえ認識が二極化し、一般の人には分からない、素直に日本に感謝する、誇りを持つ、あるいは反省するということができない状態になっている、ということです。キリスト者であっても、国を誇り、愛する、けれども、それ以上にキリストを誇るというごく自然の姿を世界に見るのですが、私たち日本人キリスト者は享受できていないので、とても残念に思っています。

この記事は、その探究の一努力とさせてください。

1.近現代日本の足跡

私たちの歴史認識の空白を作ってしまった太平洋戦争ですが、日本軍が海外に浸透した最も大きな原因は、「石油資源確保」でした。日露戦争後に、まともな賠償を受け取ることのができなかった日本が、今度は欧米諸国から孤立し、そして資源確保の場として南進、東南アジアの諸国に進出しました。この日本の軍事行動が結果的に、欧米による植民地支配を瓦解させ、戦後直後の独立に結びつきました。

このドラマでは、主人公、壱岐正が、これら日本軍の軍事作戦のマスタープランを作成した大本営の陸軍参謀でした。敗戦後、彼にとって一生涯の傷となり贖罪となったシベリア抑留を経て、それから帰国後、生活の糧を求め、繊維関連の商社に入社します。

その社長、大門氏に入社をこう強く勧められました。「あんた、戦争に敗けて、すまんと思うのなら、軍事戦略で鍛えた頭を、今度は日本の経済発展のための経済戦略につかうべきや。」そこで彼の商社人生は、この「石油確保」が償いの対象になっていきます。

2.中東情勢

「石油」が前世紀から今世紀にかけて、主力エネルギー資源であり続けていることは、言うまでもありません。その石油が戦後、大油田が中東諸国で相次いで発掘され、米国をはじめとする大国が油田確保に着手することになります。ところが戦後直後、アラブ・イスラム諸国のど真ん中に、ユダヤ人が主権を持つ、四国程度の国が誕生します。国連決議による分割案、そしてイスラエル国独立の承認をいち早く行ったのは米国でありますが、その大統領トルーマンをしてでさえ、アラブ利権で動かされていた国務省からの強い圧力の中で決断に踏み切ったのです。ここから、イスラエルと周辺アラブ諸国の情勢が、そのまま世界情勢に同期で反映されていく時代に入ったのです。

そしてもちろん、世界貿易では洋上の安全の確保が必須条件です。聖書を紐解けば、イスラエルこそが、南はエジプト文明、北はメソポタミア文明に挟まれた、軍事的衝突の地であると同時に、通商の要衝でありました。国際幹線である「海沿いの道(ヴィア・マリス)」がエジプトからダマスコ経由で、ユーフラテス流域までつながっていました。そしてソロモンはシェバとの貿易のためにエラテ(今のエイラット)を開き、ヨシャパテもその事業に着手(でも失敗)、そしてウジヤが再開させることができました。その時に使われたのは、紅海のイスラエルへつながるアカバ湾がその海上貿易の舞台でした。

この地政学は、第二次世界大戦後も変わりませんでした。世界の諸国、殊に東洋と西洋をつなぐ貿易にとって、インド洋と地中海を結ぶ、エジプト側の紅海のスエズ湾が大動脈になっています。

この半島で起こった中東戦争が、第二次から第四次のものであります。第二次のシナイ作戦はシナイ砂漠の中だけで展開されましたが、第三次の六日戦争は、エジプトの大統領ナセルが紅海のアカバ湾につながるティラン海峡を封鎖したことで、事実上の宣戦布告となりました。

そこで世界の貿易商社が、市場の売り買いにおいて激しい情報攻防戦を行ないます。不毛地帯では、なんと非常に小さな、みすぼらしい事務所しか構えていない、日本とイスラエルの貿易会社のユダヤ人(片親が日本人)が登場し、壱岐はそのユダヤ人からの情報で、全世界が「長期戦になり、アラブ連合の勝利に終わる」と予測していたところ、短期戦で勝利するという確信を得ました。案の定、たった六日間のイスラエルの電撃勝利で終結したのです。

そこで、ほとんどが市場での物価急騰を予測して買いに走っていたところ、近畿商事だけが売りを始め、大儲けすることになりました。

その後73年の第四次中東戦争(ヨム・キプール戦争)で石油ショックが起こったというのは、お年を召した方であれば、お店にトイレットペーパーがなくなるなど、生々しい記憶が残っておられると思います。

そして、たった今も中東和平交渉にてケリー国務長官が動いているのは、六日戦争後における国境線やエルサレムの地位などの策定であり、これほど六日戦争が世界経済と政治に中心的位置を占めています。ところが、日本また他の諸国がその中で実際に起こっていることについて、専門家や実務者でさえステレオタイプな偏見で動いているという、あまりにも嘆かわしい状況があります。一度、グーグルで「六日戦争」と入力してみてください。まともな情報を得られません。私がお勧めするのは、以前記事にも書いた「第三次中東戦争全史」です。これは、これからの日本の行く末、また世界の行く末、そして信仰者であれば再臨の希望へと発展する預言の歴史において、重要な一コマになっています。

3.日々の健康管理

石油だけの恒常的依存を、どうしても避けたいと私たち一般の人々も思うでしょう。国の為政者もこれではいけないと思いました。そこで原爆でも使われた放射線物質を活用、管理することによって、発電しようという試みが戦後から始まりました。それが原発です。日本では、核兵器を持たないという原則を貫きながらもその研究はしなければいけないという思惑もあったかもしれません。いや、原子力の専門家はリベラルな人が多いという話を聞いていますから、むしろこの膨大で恒久的な影響力を残す原子力を厳しく制御しよう、すなわち平和利用しようという強い意図があったでしょう。もちろん、日本の産業力のエネルギー資源としたいというのが一番大きな動機でしょう。

その国の方向性が一気にぶっ壊されたのが福島第一原発事故であり、こうした国力をかけた産業が、小さな子どもを持つお母さんにとって、最も大きな関心事の一つになりざるを得なくなったという、大きな試練を迎えています。

これからのエネルギー政策として、脱原発は当然の選択ですが、では、代替エネルギーはどうするのか?という問題があります。(参考記事:ドイツの実験例)石油に次ぐエネルギー源として今のところ、原発以外には存在しません。自然エネルギーを原発のように安定的に供給できる夢のような技術革命が起こればいいし、今の原発よりもはるかに安全な形の新型原発という選択もありますが、実際は今の日本は天然ガスの大量輸入という対策しか取れておらず、日本経済を大幅に疲弊させています。

このように、石油が今もって私たちの文明的生活の生命線であることには全く変わりないのです。

4.聖書預言と再臨

壱岐はどんどん昇進し、副社長にまでなりますが、最後のプロジェクトが油田開発です。そこでの舞台はイランです。そしてこのイランで石油採掘に成功、壱岐の最後の使命、すなわち「平和的手段によって、日本に石油という安定資源を確保する。」が達成できました。そして彼は、残る人生をシベリア抑留でまだ発見されていない遺骨収集のために活動を始めます。

イラン・・・ここでの油田は、その頃の日本の商社の取引によって、日本はイランに油田を確保しているのです。ドラマでは、近畿商事がイラン油田確保を急がせた理由として第四次中東戦争、すなわちヨム・キプール戦争の危機が迫っていることを壱岐が大門に説得しています。

そのイランで1979年にイスラム革命が起こり、それ以来、イスラムシーア派の原理主義による、政教一体の国が続いています。同盟国の米国がイランへの経済制裁を課していながら、日本はイランとの貿易を維持しています。そうしなければいけない理由があります。原発を停止しているため、石油への依存が急増したからです。そこで核兵器の開発を完成しつつあると言われるイランが、ペルシア湾のホルムス海峡を封鎖しかねない、という危険がいつも付きまとっています。

エゼキエル38章によると、ロシアと共に、イスラエルの豊かさを貪って攻めてくる主要な国がペルシヤ、すなわち今のイランです。ロシアが中東戦争において不気味な介入をこれまで行ってきました。六日戦争ではイスラエルについてシリアに誤情報を流して戦争を促し、ヨム・キプール戦争では直接的介入をしました。今も内戦のシリアに軍事介入をしています。そしてイランとは軍事同盟を結び、まさにエゼキエル38章に一斉攻撃の包囲網を固めているかのように動いています。

イスラエルでは、この世界的不況の中でその斬新な技術革命を次々に推し進めているため、景気が上昇していて、地中海近海に天然ガス油田発掘ができたなど、豊かさを享受している状態です。これもまた、エゼキエル38章の舞台設定ともなっているのです。

お分かりでしょうか、ほぼ毎日、八百屋で買い物をする時に福島産のものを買うのがためらっているというのは、直接、近現代の日本史と、日本の行く末と、聖書預言と再臨の線の中で起こっていることなのです。

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