「イスラエルを祝福する」は偏愛ではない

イスラエルを祝福するとは」と「怒る者から、執り成す者へ」の記事の続きになります。

創世記12章3節を取り上げて、「イスラエルを特別視する」ということを、親イスラエルのキリスト者に対して批判者は声を上げます。もちろん、しっかりと調べた上で、公正な目で状況を判断しなければいけないことは言うまでもありません。しかし、そのような批判者こそがまともに状況判断をせず、公平性に欠けている場合が多い、ということは言わなければいけません。イスラエル情勢を注視している者たちは、数々の偏見と不公正を見てきたので、強い反発を抱き、なぜ神がアブラハムに、「あなたを呪う者は呪われる」と言われたのかが、合点が行くようになります。

つまり、イスラエルを祝福するのは、それが自体が目的ではなく、神の正義と公正を追及した結果、そういう立場になるのです。

聖書全体において、イスラエルを神が祝福することが、すなわち神の国の成就であり、イザヤが幻の中で見た、正義と平和が満ち満ちた世界を見る事につながります。イスラエルを祝福することと、神の正義を求めることは表裏一体なのです。

現地からの小さき声

私が目に留まった小さき声をここに紹介します。

在イスラエルの日本人からの声

「私は戦争もテロも反対です。報復からは平和は生まれない。恨みしか生まれません。この国では男子も女子も高校を卒業すると軍に行きます。自分は自分の息子たちに銃を持たせたくない、軍に行って欲しくない。人を殺して欲しくないし、殺されることも望まないです。

しかしイスラエルには平和を、共存を望まないテロリストが居る。奴等が居る限り、イスラエル社会は徴兵制を無くすことはないでしょう。小さな国なので皆で国を守っていかないといけない。これがイスラエルの現実です。」

日本人クリスチャンとして自戒の言葉

「私は犠牲となった方々の死を悼みます。暴力的行為を憎みます。そして、自戒を込めて言うのですが、安全地帯にいながら、安易に「善悪二元論」で論ずることを極力避けたいと思います。「イスラエルの自衛のためならパレスチナ人が死んでも良いのか!」という問いは、裏返せば「パレスチナ人の犠牲者を出さないためにイスラエル人が死んでも良いのか!」という問いと表裏一体です。」

Test: Are you pro-human rights, or anti-Israel?
(テスト:あなたは人権重視なのか、それとも反イスラエルなのか?)

「もし昨年の内に起こった、トルコ、エジプト、リビアで何千ものデモ参加者が死傷し、これまでにない人がイランで絞首刑にされ、アフガニスタンの女子供が爆死し、南スーダンで全共同体が虐殺され、1800人のパレスチナ人がシリアのアッサドによって餓死し、殺害され、聖戦を唱えるテロ攻撃で数百人が殺され、一万ものイラク人がテロリストに殺され、ナイジェリアで村民が殺戮を受け、その時にあなたが声を上げておらず、ガザのためだけに声を上げていたら、あなたは人権擁護ではなく、単に反イスラエルなだけだ。」

さあ、いかがでしょう?日本でも、ガザ戦争反対デモしていた人々いましたね。キリスト教会関係者でも、戦争は駄目だと声を上げている方おられますね。私は少なくとも、上に書いてあった情報は追っていましたよ。ブログでも一部取り上げ、祈らなければいけないと声も上げましたし。もし声を上げておらず、ガザ戦争報道に反応しているだけであれば、結果としてイスラエルに対する偏見、不公正な発言をしていることを知ってください。

そして最後、9年前のイスラエルのガザ撤退以後にハマスが何をやって来たのか、説明している言葉が次です。僕は、撤退前からガザ情報は追ってきていたので、ここでの説明には納得です。

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オリーブ山便り 2014.7.13

確かに、民間人が犠牲になっていることを肯定することはできない。しかし、全面的にイスラエルだけが悪く、ハマスに責任はないのかといえばそうではない。

2005年8月、イスラエルは、ユダヤ人開拓者たちが、長年かけて土地を改良し、築き上げたハイテクの野菜農業施設と自宅を、強制的に放棄させ、イスラエル軍も共に、完全にガザから撤退させたということ思い出していただきたい。

イスラエルが撤退してから、まもなく9年になる。パレスチナ人たちは、この9年の間に、ガザ地区で、独立した国を立ち上げる、またはその準備をする可能性があったはずである。

ビルゲイツはそのために大金をはたいて、撤退するユダヤ人からハイテク農業システムを買い上げ、ガザのパレスチナ人に無料で譲りわたしたのである。

ところが、ガザのパレスチナ人たちは、それを踏みつけ、めちゃめちゃに破壊した。実質的な産業開発や、国づくりはせず、イスラエルを攻撃するためのミサイルをためこむことに心血をそそいだ。市民の生活水準をますます悪化させたのはハマスである。

イスラエルが、ガザの周囲を閉鎖して、監獄のようにしているというのが問題とされるが、イスラエル攻撃のためのミサイルを運び込み、兵士を誘拐するテロリストを送り込んでくる隣人がいたら、囲いをして防ぐのは当たり前の事ではないだろうか。

また、この5年の間に、ハマスとのこのような対決になるのは3回目。今回は、ミサイルをハマスが溜め込む時間かせぎになる停戦ではなく、抜本的な解決に持ち込みたいというのがイスラエルの現時点での方針である。

イスラエルと20年以上の付き合いになるが、この国は実質、民主的である。この9年、もしガザ地区が、テロを行わず、真にパレスチナ人の国づくりへの努力をし、信頼関係が構築できていれば、今頃、閉鎖は解除され、友好的な隣人どうしになれたのではないかと思う。
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イスラエルには実績があります。かつての宿敵と、事実、友好関係にあります。聖地旅行に行かれる方は、何の問題もなく、イスラエルとエジプトとヨルダンの間を渡航できます。エジプトは、かつて第一次から第四次の全てにおいて交戦したアラブ主要国です。ヨルダンとは、第一と第三次の戦争で戦いました。しかしエジプト、ヨルダンも、自国民のため、その繁栄のために賢明な政治判断をしました。その恩恵を彼らも、またイスラエルも受けているのです。パレスチナとも同じ理由で、当の昔に友好的な隣人になれた、はずなのです・・。

本当はこういう擁護をしたくない

正直、こういう形での擁護をしたくありません。政治的になりたくないからです。しかし、中東戦争またその後の対テロ戦において、民主国家イスラエルにとって、国際社会の世論がアキレス腱でした。武力では圧倒的な優位性を持っている時でさえ、アラブ側が情報を歪めて発信し、それが功を成してきました。それは2000年の第二次インティファーダ(自爆テロの始まり)の時まで続き、イスラエルは押され通しでした。。

その教訓から、イスラエルは広報戦にかなり力を入れています。ツイッター、フェイスブック、ユーチューブにはかなりの情報を日々一刻掲載しています。そして拡散してくれ、と叫んでいます。ネタニヤフ首相は、アメリカ等のテレビ番組に積極的に応じています。

イスラエル国防軍(Youtube, Facebook, Twitter)

イスラエル外務省(Youtube, Facebook, Twitter)

イスラエル首相(Youtube, Facebook, Twitter)

「「イスラエルを祝福する」は偏愛ではない」への3件のフィードバック

  1. お久しぶりです。札幌の千丈雅徳です。
    ブログを読ませていただき、考えることが多かったです。
    神のアブラハムへの約束はまだ成就していないのですから、千年王国までに、いろいろなことがありそうですね。
    大震災も含めて、想定外のことではなくて、聖書では想定内の出来事であると思います。
    ユダヤ人の救いのために、そして、異邦人の救いのために、祈ってゆきたいと改めて思わされました。
    貴重な情報を感謝します。
    熱い暑い夏、お元気でお過ごしください。

  2. コメントありがとうございました!「大震災も含めて、想定外のことではなくて、聖書では想定内の出来事であると思います。」・・・アーメンです。

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