神学的テロリズム

憎しみを植え付ける教育

前記事「ラマダン期間中のテロ」で取り上げた、パレスチナ人によるテロの背景には、次のような教育があります。

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*一般メディアでは報道される事がない映像*

ユダヤ人に対しての憎しみの心は、この様なPA(パレスチナ自治政府)の教育方針のもと、毎日植えつけられていっています。

PMW(Palestinian Media Watch)というパレスチナ自治政府がどの様なプロパガンダを発信しているかというのを監視する、イスラエルの団体があるのですが、

その団体の報告によると、自爆テロを起こしたテロリストはの英雄化は、そのテロリストの名前を学校の名前としたり、スポーツのトーナメントの名前にする事によって行われているそうです。

パレスチナ自治区の学校の生徒に「あなたの夢は何ですか?」と聞いたインタビュー映像では、その質問に対し、「私の夢は、あの〇〇さんの様に殉教(自爆テロ)し、ユダヤ人をより多く殺すことです」と女子生徒が答えていました。

憎しみを植えつけ続けられる子供達を覚えて、

常に「敵」に囲まれているイスラエルを覚えて。

「エルサレムのために平安を祈れ、「エルサレムを愛する者は栄え、
7 その城壁のうちに平安があり、もろもろの殿のうちに安全があるように」と。  詩篇122:6−7

PMWのサイトはこちらから。 どの様な手法で偽りの報道がされ続けているかを見る事ができます。 http://www.palwatch.org/

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触れないことによる、悪の支援

このような憎しみに対して、パレスチナにいるキリスト者はどう対応しているのでしょうか?私は、「検問所のキリスト」会議について一連のブログ記事を書き記しました。以下がまとめの記事です。

イスラエルから流れる神の愛

彼らの態度は次のようなものです。

①その憎しみに触れない、沈黙を保つ。
②その憎悪に自衛するイスラエルを「暴力」を行使したとして非難する。
③そのことによって、事実上、憎悪を後押している。

①+②=③になっていることを直視していない問題があるのです。

この定式を、聖書やキリスト教を使って正当化する時に、「神学的テロリスト」と呼んで良いでしょう。キリスト教会は、相対化せねばならない社会的現象をキリストの名によって語れば、絶対的なものとすることができます。テロ行為に対して武力で対抗した時、「敵を愛さなければいけない。」と言って、その自衛行為を罪定めすることができてしまうのです。

そのような人々は、「平和」「正義」や「愛」を唱えるので、表面的には心地の良いものにように聞こえるけれども、さらに言葉を聞き続けると心や魂の内面に釘やボルトが埋め込まれるような、強い傷を受けることになります。つまり、自爆テロリストが、殺傷能力を高めるために爆弾にボルトを埋め込んでいるのと同じように、神学的に人々をつまずかせているのです。

日本における神学的テロリスト

日本の中にも「神学的テロリスト」がいます。

上の記事に書かれているように、キリスト教関係者には、国家がそのような悪に対して、武力や死刑などの暴力を含む手段で臨む時に、暴力の手段を使っているという理由だけで、その権威を非難する者たちがいます。それによって、悪がはびこるのを手助けしている、しかもキリストの名で手助けしていることになります。彼らは確かに、「神学的テロリスト」と呼んで差し支えないでしょう。

テロ被害者を悼み悲しむパレスチナ人キリスト者

先の記事で取り上げた、13歳のイスラエル人少女、ヒレル・ヤッファ・アリエルさんを悼む、パレスチナ人キリスト者の記事がこちらです。

PALESTINIAN LETTER TO PARENTS OF MURDERED ISRAELI TEEN

書いている人は、記事「「パレスチナ人クリスチャン」の異論と希望の証し」でも紹介した、Matt Hanna(マット・ハンナ)さんです。

Khalil_-_backside_photo_Mod06彼は今でこそ、この子が殺されたことについていたみ悲しみを覚えるのですが、数年前まではそうではなかった事実も告白しています。生まれ育つなかで、ユダヤ人への憎悪に満ちていたとのことです。幼少の頃から高校時代に至るまで、ユダヤ人は悪人で、漫画では悪役、映画では怪物のように描かれていました。学校の先生は、ユダヤ人はパレスチナ人を全員殺したいと願っており、先祖の生来の土地を盗ったと教えました。彼らには歴史がなく、不法の占領者であると言っていたそうです。

しかし、ある時、聖書を自分で開いて読み始めたそうです。すると、神がユダヤ人を何千年も前にここに連れて来ておられて、とこしえに彼らの土地であると約束されているのを読みました。そして、イエスがユダヤ人であることを知り、衝撃を受けたそうです。自身、キリスト者でありながら、これらのことを知らなかったそうです。

今は、全く変えられたそうで、どうして人としてのイエスと同胞の人を愛さないでいられるのか?彼らが喜ぶ時に喜び、彼らが泣く時に泣けないのか?それで、テロの被害者の遺族と共に今泣いている、とのことです。そして、このようなパレスチナ人クリスチャンは一人だけではない、としめくくっています。

福音の真理から流れ出るキリストの愛

福音に根差した神学がいかに、人の心に影響を与えるかよく分かるでしょう。社会的正義を求める人々には、イスラエルへの契約、ユダヤ人の選び、イエス様のユダヤ性を語る人々を、ディスペンセーション神学云々として非難や攻撃をする人々がいますが、事実、現実に苦しんでいる生のユダヤ人がいて、彼らに対する自然な、キリストにある愛が流れ出るのです。

「神学的テロリズム」への5件のフィードバック

  1. 上のマット・ハンナさんの文章の原文をこちらに掲載しておきます。

    Dear Rena and Amichai Ariel,

    I’m writing to you with deep sorrow in my heart. I try to imagine your loss from the brutal murder of your lovely daughter, and I cannot. As a Palestinian Christian who grew up in Gaza, I can tell you that my heart is broken and I mourn with you the loss of lovely Hallel.

    One thing that makes my heart ache is knowing how I used to think and feel only a few years ago. Growing up, I was filled with hate for Jews. In my earliest years and all through high school, I learned to see Jews as evil characters, like villains in a comic book or monsters in a movie. My teachers said that Jews want to kill us all and that they stole our fathers’ native lands. They said that Jews have no history here and are illegal occupiers.

    I don’t know why, but one day I opened a Bible and began to read it for myself. I was shocked to learn that God brought the Jews here thousands of years ago and promised them this land forever. I was also shocked to learn that Jesus is a Jew. Although I was a Christian, I never knew these things.

    Today I am a different man. How can I not love Jesus’ human family? Should I not rejoice when they rejoice and weep when they weep?

    Today I weep with you and cannot find a way to stop. I am haunted by the pictures of Hallel’s sweet face and the bed where she was murdered.

    I am enraged with the terrorist who murdered her and with religious and political leaders here who trained him and now call him a shahid, a martyr hero.

    I mourn your painful loss and wish that I could come to you to cry and weep. But I cannot.

    Instead, from Bethlehem, I grieve with a new understanding. I have come to see that, in spite of its problems, Israel is the best hope for my people.

    Today I am a Palestinian Christian who shares your sorrow. And I am not the only one.

  2. 日本における神学的テロリズムの一例:

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