「恐れ」を恐れよ!

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今晩、次の説教要約を見て、なんと言ったらいいか、言葉に言い尽くせない憤慨の思いが込み上がってきました。

ヨシュア記1-3章「恐れるな。わたしがあなたとともにあるから」

今話題の、小説・映画「沈黙」と、ヨシュアの信仰がいかに対照的であるかを述べているものです。全文をぜひ読まれることをお勧めしますが、最初の一部を下に引用させていただきます。

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日本におけるサタンの最大の働きは、人々の目を漠然とした「恐怖(terror)」に釘付けにし、主に信頼する一歩を踏み出させなくすることです。

最近、遠藤周作の「沈黙」が映画化され上映されていますが、「神は、忠実な信徒が死に直面しても、沈黙したまま」という恐怖感を広める結果にならないかと心配です。なお、主人公の神父ロドリゴは、日本人信者の命を守るために棄教せざるを得なくなりますが、それはかなり史実を反映しています。

古代教会以来、殉教者の血が流されるたびに、かえって福音が爆発的に広がったと言われますが、日本だけは例外です。1700年代初めの幕府の権力者、新井白石の記録では、20万人から30万人もが日本で殉教の死を遂げたとさえ言われています。残念ながら、それらが、「死の恐怖に勝利した」美談ではなく、日本の伝統に背いた「のろい」かのように見られるのは、世界では珍しいことかもしれません。

しかも、当時の迫害の先頭に立ったのは、大目付の井上政重を初めその多くは転びキリシタンだと言われます。彼らは信仰者の心理を熟知していました。これほど巧妙で残酷な迫害が行なわれた国はないのかもしれません。 続きを読む 「恐れ」を恐れよ!

ホロコーストと中絶

フェイスブックには、昨日と今日、二つの大きなイベントがタイムラインに流れています。1月27日は、「国際ホロコースト記念日」です。ホロコーストの犠牲者を記念する日です。もう一つは、ワシントンDCにおいて、胎児の生命尊重を訴える「マーチフォーライフ」が行なわれました。日本でも、カトリック関係者の方と、小さないのちを守る会の代表によって、この行進が行われています。

ホロコーストと中絶の合法化に共通することがあるんですね。それが「優性保護法」です。「優生学」に基づいています。 続きを読む ホロコーストと中絶

トランプ大統領とクロス王

フェイスブックからの引用:

マスコミがほとんど、ヒラリー女史が当選すると言っていた中で、トランプ氏の支持が実は高いことを伝え続けていた数少ない人の一人が、この方です。私は、冷静に眺める時に、このような見方になるのではないかと思います

トランプ大統領就任 
(注:
こちらに、日本語訳付きの就任演説を見られます。)

つまり、日本がアメリカにおんぶにだっこの時代は終わりつつある、ということです。自分でしっかりと、自国について考えないといけない時代になっている、ということです。国の指導者のために祈るキリスト者の働きは、ますます顕著に重要になっています。

そして彼女の論評に補足させていただくと、トランプ・チームの人選、就任式やその後の国家祈祷会において、これまでにない数の福音派の指導者が目立っているということです。これまで、国に対して見張り役として声を挙げていた人々が、最高司令官のそばに呼ばれている、という感触を持っています。 続きを読む トランプ大統領とクロス王

映画「沈黙」- 観るべきか、観ざるべきか?

遠藤周作原作「沈黙」を題材にした映画「沈黙 -サイレンス-」が開始されましたね。私個人は観たいのですが、教会の人たちには言及はしたものの、かなり抑制して紹介しました。クリスチャンの間でこれほど賛否両論が出ているものは珍しいです。それだけ、信仰や福音宣教における心の琴線に触れてしまっている題材だからだと思います。自分の書いたフェイスブックの記事を紹介します。(今のところ三つまで書いています。)

1)「欧米の植民地主義的キリスト教」の弊害?

沈黙 -サイレンス- 映画が語らない真実

間もなく映画上映される、話題の「沈黙」についての記事です。本映画について、かなりFBのタイムラインにいろいろな人のシェアが流れてきます。好意的な人、楽しみにしている人もいれば、かなり衝撃を受けている人、否定的な人もいます。否定的な評価をしている人の中で、多くの方がシェアしていたこの記事を紹介します。

私は、同感する部分と疑問点のどちらもがありました。

①遠藤周作の小説

筆者の書いている、遠藤周作氏についての紹介はその通りです。彼は母親がカトリック信者であったけれども、その中で「自分の気持ち」を小説として描いているということです。彼は文学者としては素晴らしいと思いますが、云わば、完全に回心できなかったキリスト教の家庭の二世、ということです。したがって、そこで描かれているキリスト教は、聖書の描いているキリスト教ではなく、そういった視点から書かれている、個人の悩みを言い表しているのだ、という点を抑える必要があると思います。 続きを読む 映画「沈黙」- 観るべきか、観ざるべきか?

オバマ大統領「雄弁な言葉を持つ、行動しない指導者」

以下の文章はシルバートランペットからです。オバマ氏の演説は、「心に響く言葉を持っている、しかし腹にまで落ちない、いやむしろ、腸が煮えくり返ることさえあった。」と言えるでしょうか。怒らせても、納得させてしまう指導者もいますが、オバマ大統領は気持ちよくさせて、怒らせてしまうという珍しい人だったのではないか、と思います。「ポスト真実」と呼ばれる時代のそれこそ象徴的指導者だったのではないか?と感じます。

しかし、トランプ次期大統領において、従来のアメリカを取り戻せるというのも、私は個人的には懐疑的です。時代が変わってしまったのではないか?と感じています。誰が大統領になろうとも、どうにもできない道なのではないだろうか?と感じるからです。けれども運命的にはなっていません、むしろ国を救うのは人ではなく、神であるのだという希望を強くします。そして、主は確実に、ご自分の救いの計画を完成に向けて強く動かしておられます。

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オバマ大統領が任期最後の演説をしました。(日本語訳の全文はこちらをクリック

彼の言葉は、これまでの演説の特徴と変わることはありませんでした。理想的、進歩的なことを志向する人々には、実に美しく、気持ちが高揚します。けれども、現実の生身の人間との接触による感覚とは大きな開きがあり、違和感を抱かせ、実際に大きな齟齬が起こって、不満と怒りがかえって溜まる、と言えるでしょう。 続きを読む オバマ大統領「雄弁な言葉を持つ、行動しない指導者」