道義の相対化

私は、ガザ戦のことをブログ上で書き始めた時に、向こうで戦争が起こったことよりも、日本における異常な反応に驚いたことを書きました。長くて、難しいかもしれませんが、三週間前に書かれた、あるアメリカ系ユダヤ人の記事がもっともよく、私の驚きを言葉にしてくれているので紹介します。(翻訳ではなく、細かい表現を変えているので意訳です。)

なぜ人はイスラエルを憎むのでしょうか

私たちは悪い世界に住んでいます。特段に目新しいことではありません。世界はその始まりから悪くなっていたからです。それゆえ神はそれを滅ぼし、再び始められました。

道義的見地から、2000年以後の世界を見てみましょう。

北朝鮮は、全土が巨大な強制収容所のままになっています。チベットは人類の最古の文化でありますが、中国に占領され、破壊されました。ソマリアはもはや国として存在しなくなりました。最も凶暴な者たちが、力ある者たちがはびこる無政府状態にあります。コンゴは、1998年から2003年までに550万人が殺され、ホロコーストで殺害されたユダヤ人の数に近づきました。

シリアは15万人が過去三年で殺され、数百万人が家を失いました。イラクは、ほとんど毎週、テロリストの爆撃によって大量殺人が起こっています。メキシコは2006年から、凡そ12万人が国内の麻薬戦争によって殺されました。イランは、虐殺を推進する神政独裁制ですが、核兵器を作る能力を得るのに最接近しています。中東のキリスト教共同体は一掃され、ナイジェリアのキリスト者の殺戮は常態化しています。

もちろん二十世紀のほうが流血は多かったのですが、けれども二十一世紀はまだ15年目なのです。しかしながら、世界がそこに住む者たちにとってこんなにも酷くなったのだということを示すのが要点ではありません。要点は、このようなあらゆる悪と苦しみにも関わらず、世界は圧倒的に、一国にその犯したとされる悪に注意を向けています。イスラエルです。

目に留めるべき最も価値あることは、イスラエルが地球上で最も人道的で自由な国の仲間にいるということです。加えて、絶滅の脅しを受けている唯一の国ということです。自由主義の国々が、警察国家の側につき自由主義の国家に反対するのは、歴史上これしかないでしょう。イスラエルとその敵国との戦争の前には起こらなかったことです。 続きを読む 道義の相対化

もはや敵ではなくなったアラブ

今回のガザ戦をきっかけに、とてつもない預言的絵図が浮かび上がってきました。

1.国際社会の反イスラエル・反ユダヤ

わたしはエルサレムを、その回りのすべての国々の民を、よろめかす杯とする。(ゼカリヤ12:2)」

イスラエルが国際社会によって、これまで以上に非難されました。ヨーロッパではあからさまな反ユダヤのデモが繰り広げられ、ナチスの時代を彷彿とさせます。 

2.キリスト者の大迫害

わたしのために、みなの者に憎まれます。(ルカ21:17)」

ガザ戦は、ハマスというイスラム原理主義過激派の仕掛けた戦争ですが、中東、アフリカ、アジアにイスラム過激派によるキリスト者への大迫害が展開しています。ISISによって文字通り、キリスト者が血を流し、預言が成就しています。

3.アラブ諸国との敵対関係の終焉

これは、私にとって最も驚きでありました。イスラム過激派の存在によって、イスラエルと周辺アラブ諸国の利害が一致したのです。

Saudi Arabian Newspaper: “There Is No Longer an Arab-Israeli Conflict” (サウジアラビア新聞「アラブ・イスラエル紛争はもはやない」)

イスラエルの建国から始まった中東戦争は、合計四回ありました。最後のは1973年のヨム・キプール戦争ですが、それ以来、アラブ諸国とは通常兵器による国と国の戦争は終わったのです。そして、パレスチナとの連帯によるアラブ連盟のイスラエルへの敵性行為は次第に薄くなり、ついに今回のガザ戦で無きものとなってしまいました。 続きを読む もはや敵ではなくなったアラブ