独立宣言から見る「ユダヤ人国家」

今、イスラエルでは「イスラエルをユダヤ人の国」として認知する法律について、国会で紛糾していています。

「イスラエルはユダヤ人国家」法案で内閣紛糾 2014.11.25

私はこのニュースを追っているのですが、どうしてもなぜ紛糾するのかが分からないでいます。なぜならイスラエルの国そのものが「ユダヤ人国家」で始まっており、それをなぜ今になって同じ内容のものを法案として通そうとするのか、また、なぜそんなに左派の政党がヒステリックになって反発しているのかが、どうも分からない。(イスラム教徒との共存を家系で願っていた、宗教的ユダヤ教徒のリブリン大統領が反対していて、「独立宣言の憲章以上に、何か付け加える必要はない。」という意見は何とか理解できましたが・・。)そんなことを考えていた時に、嬉しいサイトを見つけました。あのイスラエルの建国宣言であり、「独立宣言」の日本語訳を見つけたことです。↓

イスラエル独立宣言


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最も易しい「中東問題」

英語圏で有名になっているユーチューブの動画です。日本語訳が付いています!

複雑な中東情勢ですが、説明するのはとても簡単とのこと。「一方が他方に死んでほしいと願っている」ということです。下の過去記事で紹介した動画にも日本語訳が付いています。

関連ブログ:「和平プロセスの真実」「西岸の真実

恵比寿バイブルスタディ(11月26日)

みなさん、こんばんは。
今回は、早めのお知らせとなります。

日時:11月26日(水)午後7時から
場所:目黒区立 田道住区センター三田分室 / 2階 第一会議室
聖書箇所:ルカ12章前半

この前は、パリサイ人たちがイエス様の言葉に激しく責めてきたところで終わりました。イエス様が「忌まわしいもの」と言われて彼らの偽善を咎められたからです。そして、今度は弟子たちに対して彼らの教えについて「パン種」と呼ばれて、警戒するように注意されました。ここから、パリサイ人たちの教えにある私たちも警戒すべきものを読んでいきたいと思います。

<12月の学びのお知らせ>
来月は、10日と17日の二週連続となりますので、よろしくお願いします。17日に年末の夕食会をしてもよいかな、とも思っております。

では、水曜日にお会いしましょう。

美しい日本、美しい血潮

下は、オーストラリアの映像作家が、日本の美しさを描いて作ったビデオだそうです。日本人である私も、海外経験が多いからなのか、似たような美しさで感動しています。当たり前にしているその風景が、なんと美しいんだろうと思いますが、この人の映像がそれを良く描き出しています。

LOVE JAPAN from David Anthony Parkinson on Vimeo.

そしてもう一つ注目したいのは、この映像は日本の神社仏閣や習俗的なものも、一つの芸術美として取り入れていることです。私も、神社や寺院にある芸術的美しさを感じます。自然の美に溶け込んでいますね。

そこでキリスト者として考えなければいけないのは、次のことです。これらは神の下さった賜物であり「一般啓示」また「一般恩恵」と呼ばれています。神がこんなにも美しい日本を下さったことを、感謝します。けれども、それと私たちの内にある、これらのものを造られた神を認めることをしない罪があるということです。 続きを読む 美しい日本、美しい血潮

ユダヤ教会堂襲撃事件を思って祈る

私たちは、2016年にイスラエル・ヨルダン旅行を企画していますが(現在募集中です!)、今起こっている数々のテロ事件を見るにつけ、心が痛み、張り裂けそうになります。特にその中に、宗教的ユダヤ人の姿が出てきます。私たちも2008年のイスラエル旅行で会ったのことのある、第三神殿を祈り求めるラビ・グリックの暗殺未遂が10月末にあり、エルサレムの通りで車の突っ込みで弾かれて言った人たちに、正当派ユダヤ教徒がおり、そして18日、ユダヤ教超正統派のシナゴーグ襲撃がありました。彼らの祈祷書が血まみれになっているその凄惨な写真を見た時(写真1写真2)、まるでホロコースト前から起こっていたヨーロッパの反ユダヤ主義、ユダヤ人に対する流血事件を想起させました。私の心の中で何かが抜けたような感じがしました。

事件の内容は、「オリーブ山便り」10月下旬辺りから読まれるとよいかと思います。襲撃事件は、11月18日の記事から始まっています。今朝、フェイスブックに掲載した記事をこちらにもご紹介します。

Politics Can’t Explain the Israeli Synagogue Attack. Only Hatred Can.
(政治はイスラエル人シナゴーグの襲撃を説明できない。憎悪だけができる。)

ユダヤ教礼拝所における襲撃は、死者が五人になりました。最初にかけつけた警官のうち一人がお亡くなりになったそうです。彼は、妻子のあるドルーズの方です。確か、この前の赤ん坊がなくなった車突っ込みテロにおいても、そこで死んだ国境警備隊はドルーズの方でした。 続きを読む ユダヤ教会堂襲撃事件を思って祈る

「狭き門」という開かれた戸

(前々記事「左から右に揺れる教会」前記事「教会は政府ではない」の続き)

今回のサイトの問題は、左から右に揺れる中での「教会の政治化」という問題だけでなく、信仰的、神学的な問題が横たわっています。前々回の記事で、「イスラエルという木に、個々の異邦人がキリストによって選びの民に接ぎ木されて霊的祝福を受けているという聖書的見方ではなく、民族として日本が接ぎ木されているという見方」としているという問題点を取り上げました。さらに、「「贖いの賜物」という、風土、文化、伝統や宗教の中に神が日本を贖われる素地があるのだ」という見方は誤りであるという話もしました。これが、彼らの右翼思想をキリスト教的に支える基盤になっているので、じっくりと考察したいと思います。

日本において、イスラエルやユダヤへ親和的な姿勢を持つキリスト教の流れには、二つの逸脱した、異なる強い流れもあります。一つは「ユダヤ人陰謀論」です。ユダヤ関連に興味を持つとネット上で出くわすのは、陰謀論者による情報です。フリーメイソン、ロスチャイルド、イルミナティなどを、ユダヤ関連で語っています。中にはユダヤに親近感をもって取り組む人もいるですが、その元は「シオンの議定書」に代表される、ユダヤ人世界制覇の脅威から発していますので、反ユダヤになります。もう一つは「日ユ同祖論」(その1その2)です。今回取り上げた団体の人々は、こちらの流れにある人々です。日本人が失われたイスラエル十部族の末裔であるという説を信じている人々で、ユダヤ教、また東方から伝来した景教が日本の古代神道の中に反映されている、という見方であります。

日本人キリスト教徒がこの二つの説に飛びつく動機は「欧米への劣等感」です。ユダヤ人陰謀説については、日本がアメリカに従属しているとしてよく思っておらず、そのアメリカ支配を論拠づけるためにユダヤのアメリカ支配を説きます。日ユ同祖論についても、欧米のキリスト教への反発の表れであり、欧米を素通りしてそのままユダヤにつながることができ、それで欧米キリスト教に対抗できると思っているからです。これは左傾化したキリスト教にも同じように見える傾向です。私はブログ上でもずっと、「反発は依存の裏返しだ」と論じてきました。本当に自立しているのなら、自分の分をわきまえて助けを得るべき所は得る、そして彼らに感謝し、彼らを愛し、共に働くということを自然にできる。その時に、初めて対等になれることを話しました。 続きを読む 「狭き門」という開かれた戸

教会は政府ではない

(前記事「左から右に揺れる教会」の続き)

ブログ「教会の使命と福音の本質」で紹介した二つの冊子は、今の日本の教会にとって死活的な問題が提起されており、私はどの信者さんにも一読をぜひお薦めしたいものです。

必要なことはただ一つ ~多元社会を生きる教会の役割~

ただキリストを伝えよう ~教会が宣べ伝える唯一の福音~

著者は日本基督教団の教会を牧会しておられる方で、前記事で言及した「主流派」の中におられる方です。ですから、各所で私たち福音主義とは異なる見方も出てきます。しかし、むしろ主流派の中におられる方だからこそ、今、福音派が入り込んでしまっているその行き着くところの暗部、隘路を熟知しておられます。主流派の中から、むしろ福音派以上に福音を固持する姿勢を見ることができる良書です。

そこには、「政治」についても大きく取り上げています。とても重要なので長文引用させていただきます。(太字などの強調部分は私によるものです。)①の冊子から・・ 続きを読む 教会は政府ではない

左から右に揺れる教会

今晩は、皆さんは今日は教会の礼拝に出席されたでしょうか?私は毎週の礼拝をとても楽しみにしています。教会にこそ、イエスを主の主、王の王として宣言し、礼拝できる完全な自由があります。

ここ一・二か月の間、主が自分の心に語られて、そして修養会の時にはっきりと語られたことがあり、それは「教会に偽の教えが入っている」というものでした。それは、エホバの証人やモルモン教のような異端の教えを持っている組織ではなく、キリスト教会でありながら、イエス・キリストの福音のみを信じない、他の要素を取り入れることによって福音が異質なものにしている、それで福音に人を救う力がなくなってしまっている、という問題です。

その問題について、ここのブログでも取り上げてきた中の一つが「教会の政治化」です。政治の中で争点となっている事柄について教会がそれをあたかも神の命令であるかのように一つの争点を認知していくと、教会の中に混乱が生じ、信徒たちの心は信仰によって養われず、かえって心に傷を受けるという深い懸念でした。日本のキリスト教会では主流派と呼ばれるリベラルの教会では、急進的な政治運動に加担していく姿を見ます。

しかし、イエス・キリストの福音こそが人を救うという信仰を固持しているはずの「福音派」が、政治化している姿を見ることは心痛むことであり、憂うべきことです。表に出てくるマスコミの情報や、出版物でそうしたものが大半になってしまい、キリスト教書店でも見るに堪えない風景になっています。(参照ブログ:「山本太郎氏当選に思う」「福音派は時流に乗るな!」「秘密保護法案とキリスト者の迫害」「日本人の考える「平和」」「全共闘・反動・日本の誇り」など) 続きを読む 左から右に揺れる教会

ハーベスト・クルセード2014(字幕付)

今年8月に、カリフォルニアのアナハイムで行われた、大衆伝道集会「ハーベスト・クルセード」での説教を紹介します。伝道者の名前はグレッグ・ローリー(日本語ウィキペディア)。日本語字幕が付いているので、ぜひご覧ください。


(日本語字幕を付けた良質の説教、証しを揃えたThe Divine Usから)

オリジナルのHarvest Crusade 2014のサイト

皇室とキリスト教

昭和天皇実録今、皇居にて「昭和天皇実録」が公開されています。それに基づいて、週刊朝日が次の記事を書いて、ちょっとした話題になっています。

昭和天皇、キリスト教に関心の理由

(オンライン化されたこの記事は貴重だと思いますので、コメント欄に保管させていただきます。)

同じ週刊朝日の関連記事には、眞子さまと佳子さまが国際基督教大学に入学したことについても、「“佳子さまICU志望”で考えた 皇室とキリスト教はどんな関係?」という記事に書いています。

このような報道で驚く方々も多いと思います。それは、私たちが受けてきた教育がそうであったからでしょう。路傍伝道をしても、「日本は仏教と神道の伝統をもった国であり、キリスト教は西洋の宗教だ。」と考える一般の方々が圧倒的で、クリスチャンになっても、そうお考えになっているかもしれません。

けれども、皇室とキリスト教の関係は明治時代からかなり広く、深いです。むしろ、一般市民よりもキリスト教にもっと触れており、人間関係の中でも、知識的にもキリスト教に近い人々であると言ってよいと思います。今上天皇が少年であられた時、家庭教師は、クューカー教徒のヴァイニング夫人であったし、現皇后は聖心女学院出身であり、カトリック信仰を持っていたのではと言われています。そして、私の身近な人でも皇室に接触があるであろう宣教師がいます。

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